日米、対中認識と為替連携を協議、首相官邸会談で投資・重要鉱物も議題

日米、対中認識と為替連携を協議、首相官邸会談で投資・重要鉱物も議題
日米が対中協議

トランプU.S.大統領の中国訪問を控え、日米両政府は首脳外交と金融協議を並行して進めている。高市早苗首相は5月12日、ベッセントU.S.財務長官と会談し、対中国政策に加えて対U.S.投資、重要鉱物、AIリスク、インド太平洋情勢まで幅広く意見を交わした。

ハイライト

  • ベッセント氏と高市首相は約15分間の会談で、日米の対中認識や戦略投資・重要鉱物など経済安全保障分野を協議した。
  • 米側は日本の為替介入に理解を示し、過度な為替変動は望ましくないとの認識を共有し、財務省との緊密な連携を強調した。
  • 日本の財務相・官邸関係者と米代表が為替を含む金融市場対応で一致し、日米協調の継続と経済基盤の強靱性を再確認した。

首脳会談前の政策すり合わせ

日本経済新聞によると、ベッセント氏は高市首相との約15分の会談後、14〜15日の米中首脳会談を前に中国に対する認識を共有したと記者団に説明した。議題には、日米の二国間関係、日米戦略投資、重要鉱物、トランプU.S.大統領の中国訪問が含まれたという。

ベッセント氏は、トランプ氏の訪中を巡って首相と日米関係の重要性を確認したと強調した。高市首相は会談で、最先端のAIモデルによるリスクを最小化する取り組みにも言及し、インド太平洋地域が直面する情勢や課題についても協議したと日本政府が会談後に発表した。

トランプ氏の中国訪問は当初3月末を予定していた。高市首相はその直前の3月19日の日米首脳会談で対中認識をすり合わせる方針だったが、U.S.によるイラン攻撃を踏まえて米中首脳会談が延期されたため、今回はベッセント氏を通じて改めて日本側の主張を伝えた形となる。

為替対応と経済協力への含意

ベッセント氏は、金融政策を巡って首相に要望したことはないと述べ、日本の財務省と緊密に連携しており関係は非常に良好だと説明した。日本政府・日銀による円買い介入については、過度な為替変動は望ましくないと理解を示し、日本の為替介入を容認する姿勢がうかがえる。

また、同氏は今後も日本の財務省と緊密に連携していく考えを示し、日本経済の基盤は非常に強く、強靱性が為替に反映されていくとの見方を示した。これに先立ち片山さつき財務相とも会談しており、片山氏は為替を含む金融市場の動向への対応で日米連携を確認し、全面的な理解を得たと述べた。

今回の一連の協議は、安全保障上の対中調整と並行して、投資、重要鉱物、為替安定といった経済安全保障分野での日米協調を改めて確認する動きとなっている。首相官邸での会談には片山氏のほか、尾崎正直官房副長官、市川恵一国家安全保障局長、財務省の三村淳財務官らが同席した。

当社の以前の記事では、米中首脳会談を前にベッセント米財務長官が訪日し、片山財務相や高市首相との会談を通じて、為替動向や政策協調が市場の注目点になっていることを整理しました。とくに、政府・日銀の円買い介入局面でU.S.側が過度な変動をどう受け止めるか、また日米連携と介入への理解が円相場の見通しに影響し得る点を背景として取り上げています。

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