日本政府、高性能AI向けサイバー防御強化で省庁横断会議を始動

日本政府、高性能AI向けサイバー防御強化で省庁横断会議を始動
AI時代の新防御策

日本政府は18日、生成AI「Claude Mythos」を念頭に、高性能AIがもたらすサイバー上の脆弱性へ備えるための関係省庁会議の初会合を開いた。電力や水道、金融、医療、行政サービスを含む重要インフラ15分野を中心に、官民連携と海外当局との協力を組み合わせた防御体制の整備を急ぐ。

ハイライト

  • 日本政府は高性能AI対応で電力・水道・医療など15分野の重要インフラへのサイバー防御強化の省庁横断会議を開始した。
  • 2025年設立の国家サイバー統括室(NCO)に関連情報を集約し、U.S.やUK政府機関と国際連携を強化する方針を示した。
  • ソフトウエア開発・販売会社や政府情報システムに高性能AIを使った脆弱性点検と修正を要請し、対応の迅速化を図る。

重要インフラ15分野の対策枠組み

日本経済新聞によると、政府は今後出現が見込まれる高性能AIに対応するため、事業者から報告されたインシデント情報を集約し、重大な脆弱性が見つかった場合に必要な対応をとる方針を示している。対象には電力、水道、ガス、空港、鉄道などの基幹インフラに加え、医療や行政サービスも含まれる。

重要インフラ事業者には、経営層の主導で予算と人材を確保し、発見した脆弱性を評価して迅速に対処するよう求める。政府は企業向けの共通指針も整備し、AIの安全性を評価する政府機関AIセーフティ・インスティテュート, AISIと連携して、高性能AI全般を視野に入れた対策へ広げる。

ソフトウエア開発・販売会社に対しては、高性能AIを用いて自社製品にサイバー攻撃につながり得る弱点がないか点検するよう要請する。問題が確認された製品は修正を促し、政府や自治体の情報システムでも脆弱性点検を進める。

情報集約と国際連携の拡大

政府は情報収集体制の見直しも進め、2025年に新設した国家サイバー統括室, NCOにAIを使ったサイバー防御関連の情報を集約する。従来は各省庁ごとに情報収集が分散していたため、統合によって初動対応と状況把握の迅速化を狙う。

NCOはU.S.やUKなど主要先進国の政府機関との連携も探る。高性能AIは従来モデルより大幅に高い脆弱性発見能力を持つとされ、政府内ではサイバー安全保障上の脅威が急速に高まっているとの見方が強い。

国内では4月24日に片山さつき金融相が日銀や3メガバンク首脳との官民連携会議で高性能AIリスクの作業部会設置を決め、5月1日には赤沢亮正経産相が電力・ガスなど重要インフラ企業幹部と意見交換した。海外でも対応は先行しており、U.S.やUKが評価や緊急協議を進める一方、日本はMythos公表から約1カ月後に政府全体の対策づくりへ踏み出している。

当サイトの以前の記事では、3メガバンクがAnthropicの新型AI「Claude Mythos」へのアクセス確保を急ぐ動きを取り上げ、サイバー防衛強化に向けた前進として位置づけました。一方で、モデルの活用やレビュー対応には大規模なセキュリティ投資が必要になり得て、投資余力の差が競争力の格差につながる可能性も指摘しています。

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