日本では15歳未満の子どもの数の減少が続き、少子化が社会構造の固定的な課題になっている。結婚や出産の希望を阻む慣行を見直すうえで、今年度に始まる「子ども・子育て支援金」と地域・職場の支援体制整備が重要な論点になっている。
ハイライト
- 総務省によると2024年4月1日時点の15歳未満人口は前年比35万人減の1329万人で、過去45年連続減少となった。
- 新年度から公的医療保険料への上乗せで企業と国民が財源を拠出する「子ども・子育て支援金」制度が導入される。
- 企業の長時間労働是正や非正規雇用の改善が人材確保と少子化対応に直結し、地域基盤強化も急務とされる。
支援金制度と保育サービスの位置づけ
日本経済新聞の社説では、総務省の推計として4月1日時点の15歳未満の子どもの数が前年より35万人少ない1329万人となり、45年連続で減少したと伝えている。総人口に占める子どもの割合も1950年の35.4%から10.8%へ低下しており、国際的にみても低い水準にあることから、少子化は日本の常態になっているとの認識を示している。
こうした状況を変えるには、結婚や出産の希望を妨げてきた社会の仕組み自体を見直す必要があるとしている。その契機のひとつが今年度からの「子ども・子育て支援金」で、公的医療保険料への上乗せにより国民と企業が広く財源を負担し、子育て支援策に充てる仕組みだ。
新たな支援策としては「こども誰でも通園制度」が挙がっている。専業主婦家庭などの育児不安を和らげ、子どもが家族以外の人と接して多様な経験を積む場になることが期待されている。
企業の人材戦略と地域基盤への波及
社説は、子育てを家族だけの責任とみなす古い意識が若い世代を苦しめてきたと指摘している。子どもが家庭だけで日々を過ごすわけではない以上、安全に遊べる公園や小学校入学後の朝や放課後の居場所づくりなど、地域で育ちを支える基盤整備が急務だとしている。企業の対応も一段と重要になっている。長時間労働を前提とした働き方では私生活との両立が難しく、「共働き・共育て」しやすい職場への転換は、人材の獲得や定着にも関わるという見方だ。
また、若い世代の経済基盤の安定が少子化対応の土台になるとして、非正規雇用の処遇改善や正規雇用への移行を官民で進める必要があるとしている。子育て支援を社会全体で担う意義を政府がより丁寧に説明できるかが、制度定着のカギになりそうだ。
当社の以前の記事では、労働人口の縮小が進む地方で、自治体運営や高校新卒採用、生活インフラの維持にまで人手不足のひずみが広がっている点を取り上げました。行政現場の非効率な慣行や「1人1社応募」などの採用慣行がミスマッチを生み、業務改革や制度見直し、労働者協同組合といった新たな担い手づくりが地域の持続性を左右することを整理しています。
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