東レ、汎用炭素繊維事業の設備縮小を検討、競争激化で構造改革を加速

東レ、汎用炭素繊維事業の設備縮小を検討、競争激化で構造改革を加速
東レ 炭素繊維再編

東レは、採算悪化が続く汎用炭素繊維事業で生産設備の縮小や削減を検討している。風力発電向けなど主力用途で中国勢との競争が厳しさを増しており、米国拠点の見直しを含む踏み込んだ事業再編が焦点になる。

ハイライト

  • 東レは汎用炭素繊維『ラージトウ』事業で米国の加工拠点縮小や外注化などアセットライト化を検討している。
  • 『Dプロ』構造改革で300億円の収益改善を目指したが、2026年3月期までの改善額は約230億円にとどまる見通し。
  • 原料高騰を受けた価格転嫁は26年4〜6月期に8割受け入れられるが、原料高と販売数量減で27年3月期に130億円のマイナスを見込む。

汎用炭素繊維の再編方針

日本経済新聞の報道によると、東レの大矢光雄社長は25日の説明会で、汎用の炭素繊維関連事業について生産設備のアセットライト化を含む追加施策が必要だと示し、米国の加工拠点の縮小や外注化を示唆した。対象となるのは汎用炭素繊維「ラージトウ」を中心とする事業で、子会社のU.S. Zoltekが手がけている。

同社はこれまで、投下資本が大きく採算が悪化している事業を対象に「Dプロ」と呼ぶ構造改革を進めてきた。2026年3月期までの3年間で300億円の収益改善を目指していたが、ラージトウ事業の伸び悩みなどを受け、改善額は約230億円にとどまっている。

ラージトウ事業では、これまでも人員削減や設備改造を通じて販売用途の拡大を進めてきた。ただ、主要用途の一つである風力発電向けで中国勢の台頭が続き、収益改善だけでは対応しにくい局面に入っている。

原料高と価格転嫁の業績影響

中東情勢の緊迫化を受けて、東レは原料価格の上昇に対応するため、樹脂や炭素繊維、繊維の一部で価格転嫁を進めている。原料コストの変動を製品価格に迅速に反映する「サーチャージ制」も導入し、自動車向けなど産業用途を中心に適用を広げている。

大矢社長によると、価格転嫁は26年4〜6月期ベースで8割程度が受け入れられている。一方で、値上げが浸透しても販売数量が落ち込む製品が出るとみており、東レは27年3月期に中東情勢の影響による原料高と販売数量減で130億円のマイナス影響を見込んでいる。

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