平成医療学園、13億円超の関連当事者取引に私学法違反の疑い

平成医療学園、13億円超の関連当事者取引に私学法違反の疑い
13億円超の利益相反疑惑

学校法人の資金管理とガバナンスが問われるなか、平成医療学園で2025年4月までに総額13億円超の利益相反取引があった疑いが浮上している。対象には理事長の関係法人向けの仮払金や貸付金が含まれ、文部科学省への報告と改善計画の策定が進んでいる。

ハイライト

  • 平成医療学園による、理事会未承認の関連当事者取引13億円超について第三者委報告書が私学法違反の疑いを指摘し、文部科学省に提出済み。
  • 同学園は2025年4月までに山の子会へ7億2800万円を仮払金で支出、2023年4月には全柔協FCへ6億円を貸付、いずれも理事長が関与し、返済されていない資金が存在。
  • 2024年度に同学園の徴収不能引当金は約12億6700万円へ増加し、経営・資金管理の悪化が鮮明化している。

第三者委報告が示す取引の構図

日本経済新聞が入手した第三者委員会の報告書によると、平成医療学園では理事会の事前承認を経ていない関連当事者取引が複数確認され、私立学校法違反が認められると指摘されている。報告書は公表前だが、27日までに文部科学省へ提出されている。

報告書によると、同学園は岸野雅方理事長が理事長を務める社会福祉法人「山の子会」に対し、2025年4月までに計7億2800万円を仮払金名目で支出し、一部は貸付金として計上した。山の子会は2025年3月時点で約9億6000万円の債務超過に陥っており、報告書は職員給与の未払い回避を目的とする支出の側面があったとみている。

さらに平成医療学園は2023年4月、金融会社「全柔協FC」に6億円を貸し付けた。第三者委は株主構成などから岸野氏が同社の過半数株式を掌握していると判断し、この貸付についても理事会承認を欠いていたとして私学法違反との見解を示している。

監督対応と学園財務への影響

関係者によると、これらの取引を巡っては一部資金が平成医療学園に返済されていないという。私立学校法は学校法人の財産保全のため、理事会承認のない利益相反取引を禁じており、違反した場合は文部科学相や都道府県知事による措置命令などの行政処分につながる可能性がある。

文部科学省は2025年6月以降、不透明な資金支出に関する公益通報を受け、学園側へのヒアリングを進めてきた。平成医療学園は2025年10月に第三者委を設置し、委員会は2026年4月下旬に報告書をまとめた。

同学園の代理人弁護士は、第三者委の指摘を受けて改善計画を策定中で、近く文部科学省に報告すると説明している。ガバナンス面では、専門家を交えたチェック体制の構築も検討している。

平成医療学園は宝塚医療大学と専門学校6校を運営し、2025年5月時点の在学者数は約4200人に上る。関係者によると財務状況は2022年ごろから悪化しており、2024年度の徴収不能引当金は約12億6700万円となっている。

当社の以前の記事では、ニデックで会計上の不正が見つかったことを受け、証券取引等監視委員会が有価証券報告書の虚偽記載の有無などを調べる可能性がある点を整理しました。第三者委員会報告で不正や経営陣の責任が指摘され、決算発表の延期も含めて、開示の信頼性と企業統治の立て直しが焦点になると伝えています。

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