中東の供給制約が日本のエネルギー調達に強い圧力をかけるなか、4月の原油輸入量は前年同月比65.7%減の407万61キロリットルとなり、1989年以降で最も少なかった。ホルムズ海峡の事実上の封鎖で中東産の落ち込みが響いた一方、政府は代替調達ルートの確保を進めており、経済産業省は5月以降の輸入量が4月から増えるとの見方を示している。
ハイライト
- 4月の日本の原油輸入量は中東産原油の68%減が主因で、1989年以来最少の356万3405キロリットルとなった。
- サウジアラビアからの輸入は57.7%減、アラブ首長国連邦は69.4%減となり、中東依存リスクが顕在化した。
- 石油製品では燃料油が11.4%減の992万7541キロリットル、ナフサが22.8%減となり、国家備蓄放出が減少を下支えした。
4月統計の減少幅と調達構造
日本経済新聞が伝えた経済産業省の4月の石油統計速報によると、中東産原油の減少が全体の輸入量を大きく押し下げている。中東産は前年同月比68%減の356万3405キロリットルとなり、輸入全体に占める比率も87.6%と6.1ポイント低下した。
国別では、輸入の大部分を占めるサウジアラビアが57.7%減、アラブ首長国連邦が69.4%減となった。中東ホルムズ海峡の事実上の封鎖が、日本の原油調達における地域集中のリスクを改めて示す形となっている。
備蓄放出と石油製品生産への影響
政府はホルムズ海峡を通らない代替調達ルートからの確保を進めている。経済産業省は4月時点の代替調達率を25%としており、5月以降の輸入量は4月から増えるとみている。石油製品の生産量では、燃料油が11.4%減の992万7541キロリットルだった。政府による石油の国家備蓄放出が下支えとなり、減少幅は原油輸入ほど大きくなっていない。
製品別では、石油化学製品の原料となるナフサが22.8%減の90万6660キロリットル、ガソリンが10.9%減の310万2669キロリットルとなった。供給網の制約が続くなか、代替調達の拡大と備蓄活用が国内のエネルギー安定供給を左右する状況が続いている。
当サイトの以前の記事では、中東情勢の緊迫化を受けて日本のナフサ輸入が大きく減少する一方、米国など中東以外からの代替調達が急拡大し、調達先の分散が進んでいる点を整理しました。政府が代替輸入や備蓄原油の活用で原料確保を支える一方、化学メーカー側ではコスト増や物流体制の再構築が継続的な課題になることも指摘しています。
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