フジ・メディア・ホールディングスを巡る村上世彰氏側との対立は、6月の定時株主総会を前に法的対応の段階に入っている。東京地方裁判所がATRA保有株の議決権行使を禁じる仮処分を認め、村上氏側の保有株の一部は総会で実質的に行使できなくなる。
ハイライト
- 東京地裁はATRA保有のフジHD株について、6月の定時株主総会での議決権行使を禁じる仮処分を認めた。
- 村上世彰氏側のフジHD株保有比率は4月中旬時点で4.62%に上昇し、ATRAが1.54%を占めている。
- 今回の仮処分で株主総会の議決権行使が争点となり、フジHDのガバナンス運営と大株主対応への影響が強まる可能性がある。
東京地裁決定と和解の範囲
日本経済新聞によると、フジ・メディア・ホールディングスは6月2日、村上世彰氏が関わる投資会社ATRAが保有する同社株について、東京地方裁判所が定時株主総会での議決権行使を禁じる仮処分を同日までに認めたと公表している。これにより、ATRAが保有する株式は6月開催の定時株主総会で議決権を実質的に行使できなくなる。
ATRAは4月中旬までにフジHD株を1.54%まで買い増し、大株主に浮上していた。フジHDは2月の自社株買いに関連し、村上氏の長女である野村絢氏と旧村上ファンド系の投資会社エスグラントコーポレーションとの間で、保有株の議決権行使の制限や早期売却について合意していたとしている。
一方、村上氏側は合意内容の解釈に相違があるとの立場を示し、ATRAは合意の対象外だと主張していた。フジHDは6月2日、野村氏とエスグラント社の保有株については、6月の定時株主総会で議決権を行使しないことで和解が成立したと公表したが、ATRA保有株の扱いでは和解に至らず、裁判所への申し立てに踏み切っていたという。
株主構成とガバナンスへの影響
関東財務局に4月中旬に提出された資料によると、村上氏側の陣営によるフジHD株の保有比率は計4.62%となっている。内訳はエスグラント社が1.31%、野村氏が1.76%、ATRAが1.54%で、前回開示からエスグラント社と野村氏の比率は低下し、ATRAは上昇している。2月以降、フジHDは株式売却合意の順守を求め、村上氏側は追加取得の検討や保有株の売却を急がない姿勢を示してきた。今回の仮処分決定は、双方の対立が不動産事業や株主提案を巡る攻防から、株主総会の議決権行使を直接左右する局面へ移ったことを示しており、放送持ち株会社のガバナンス運営と大株主対応にも影響を与えそうだ。
当社の以前の記事では、東証改革を背景に、資本コストを意識した経営や自社株買いの増加が日本株高を支え、割安修正が進んだ流れを整理しました。さらに、市場の関心が低PBR銘柄の見直しから企業成長やテーマ別物色へ移る可能性に触れ、資金の向かい先が分散している点も取り上げています。
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