国立映画アーカイブ、運営費削減でクラウドファンディング開始

国立映画アーカイブ、運営費削減でクラウドファンディング開始
映画アーカイブが資金募集

政府による公費依存度引き下げの方針を受け、国立映画アーカイブは活動の安定継続に向けて運営資金を募るクラウドファンディングを始めた。目標額は1億円で、フィルムの収集、保存、復元、公開にかかる費用へ充てる。

ハイライト

  • 国立映画アーカイブの2026年度運営費交付金は前年度比44%減の3億5856万円に減額され、固定費も不足見通しとなった。
  • 運営費を対象とした初のクラウドファンディングを6月25日に開始し、資金確保と社会への認知拡大を図る。
  • 運営資金のクラウドファンディング実施は日本の国立美術館・博物館では異例で、文化機関資金調達の多様化が進む。

交付金減額と資金調達の概要

日本経済新聞によると、国立映画アーカイブの2026年度の運営費交付金は前年度比44%減の3億5856万円となり、光熱水費や人件費などの固定費にも不足する見通しとなっている。このため同館は、事業面で増収策を講じてもなお埋めきれない資金を補う手段として、運営資金そのものを対象にしたクラウドファンディングに踏み切った。

25日に始めた今回の募集は、同館にとって活動全体を支える資金を広く募る初の取り組みとなる。栩木章館長は5日朝の記者会見で、収入の多角化を進めるとともに、映画アーカイブの使命と存在意義を社会に広く知ってもらう機会にしたいと述べている。

映画保存機能への影響と文化分野の波及

国立映画アーカイブは日本で唯一の国立の映画専門機関で、残存する映画フィルムを文化遺産や歴史資料として可能な限り網羅的に収集することを目指している。映画フィルム約9万本に加え、スチル写真やポスターなど100万点超の関連資料を所蔵しており、資金確保は保存と公開の継続に直結する。

同館はこれまで、磁気テープ資料のデジタル化など個別事業でクラウドファンディングを実施したことはあるが、運営費を募るのは初めてだ。国立の美術館や博物館が運営資金をクラウドファンディングで募る事例は異例だが、2023年には国立科学博物館が光熱費高騰を理由に同様の取り組みを行っており、文化機関の資金調達手法の多様化が課題になっている。

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