高市早苗首相は、衆議院の定数見直しを巡り、比例代表を45議席削減する法案を今国会中に取りまとめるよう自民党に指示している。日本維新の会との連立運営を安定させる狙いがある一方で、自民党内では手続きや政権基盤への影響を懸念する反発が残っている。
ハイライト
- 自民党は今国会で比例代表45議席削減案の調整を本格化し、党内調整と維新との連携を優先している。
- 2024年2月の衆院選大勝で自民・維新が衆院の4分の3議席を確保し、法案再可決シナリオへの警戒感が高まっている。
- 比例削減や副首都法案で維新との追加協議が進む一方、国民民主党の反発で他党連立の選択肢が狭まるリスクが意識されている。
比例45削減案の調整と党内反発
日経の報道によると、自民党の鈴木俊一幹事長は4日に党本部で開いた政治制度改革本部総会で、1日に高市首相と面会した際に、比例代表で削減する方向で党内意見をまとめるよう指示を受けたと明らかにした。鈴木氏は首相の意向に沿って、比例代表を45議席削減する方向で議論を進めるよう出席者に求めている。首相は4日の衆院予算委員会でも、先の衆院選で定数削減を公約したことに触れ、実現に向けて真摯に取り組むと表明している。2月の衆院選後に首相が具体策を示すのは今回が初めてだが、党内の政治制度改革本部は比例45議席削減案の了承を見送っている。
岩屋毅前外相は会合後、首相1人で決められる話ではないと批判し、党内議論に先行して方針を示した進め方に疑問を示している。昨年の臨時国会では少数与党の下で法案を提出しながら審議入りできず廃案となったが、現在は2月の衆院選大勝を受け、与党が維新と合わせて衆院の4分の3の議席を握っており、再可決を含む成立シナリオへの警戒が党内で強まっている。
参院で法案が否決された場合でも、衆院で3分の2以上の賛成を得れば再可決が可能になる。参院が60日以内に議決しない場合も否決とみなされるため、比例削減に慎重な自民党議員には法案提出そのものが大きな政治リスクと映っている。
維新との連立運営と他党への波及
自民党内では、定数削減法案をさらに先送りする代わりに、維新の要求を一部受け入れる案も浮上している。維新は定数削減に加え、「副首都」構想を実現する法案を重視しており、連立政権合意書にも今国会での成立が明記されているが、自民党との隔たりはなお残っている。維新は副首都制度の導入と合わせて、「都構想」の是非を問う住民投票を大阪府全域で可能にする法改正も視野に入れている。吉村洋文代表は2027年春の統一地方選と同日に住民投票を実施する考えをにじませており、自民党内では大阪府連を中心に、副首都論議に別の制度改正を抱き合わせているとの慎重論が出ている。
政策協議は税制にも広がっている。吉村氏は4日、大阪府庁で食料品の消費税ゼロを貫くべきだと述べており、首相が27年4月から食料品の消費税率を1%とする案の可否を月内に判断する方針であることから、自民、維新間の追加協議事項になる可能性がある。
もっとも、比例代表限定の削減で維新との連携を深めることは、別の連立候補との関係を損なうリスクも抱える。国民民主党は比例限定の定数削減に反対しており、自民党内には、この案に踏み切れば国民民主との連立論が遠のき、参院で多数派を形成する選択肢が狭まるとの見方が出ている。
当サイトの以前の記事では、高市早苗首相が食料品の消費税減税(1%引き下げやゼロ税率)に向けた法整備を検討し、秋の臨時国会での税法改正案提出を視野に入れている点を整理しました。あわせて、レジ改修に要する期間の見通しや、2026年度補正予算案に盛り込まれた燃料補助の継続・見直し議論など、実施時期と財源面の論点が並行して動いている状況を伝えています。
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