日本株の理論株価算出、決算短信ベースの「はっしゃん式」に注目

日本株の理論株価算出、決算短信ベースの「はっしゃん式」に注目
はっしゃん式に注目

個人投資家の間で、企業の決算短信にある数値だけを使って理論株価を算出する「はっしゃん式理論株価」が投資判断の手法として注目を集めている。将来予想の前提を独自に置かずに計算できるため、経験の浅い投資家でも同じ結果を得やすい点が特徴だ。

ハイライト

  • はっしゃん式は決算短信の数値のみを用いて事業価値と資産価値を合算し、独自予測不要で理論株価を算出する手法。
  • 計算例ではトレジャー・ファクトリーの理論株価は4159円で、直近株価1800円と比べ割安な水準とされる。
  • この手法は業績と株価の連動性が高い銘柄で割安度や売買タイミング判断に活用できる中長期分析にも特徴。

決算短信だけで算出する評価手法

日経マネーによると、この手法は株式情報サイト「株Biz」を手掛ける個人投資家のはっしゃん氏が考案したもので、事業価値と資産価値を合算し、必要に応じて市場リスクを差し引いて理論株価を求める。企業が開示する決算短信の数値のみを使うため、利用者が将来業績を独自に予測して前提条件を置く必要がない。

事業価値の算出では、PER15倍を基準に、ROAと財務レバレッジを反映する。計算に使うEPSは予想純利益ではなく予想経常利益の70%をベースとし、特別損益や補助金、特別減税などの影響を除く考え方を採る。ROAが高いほど評価倍率は上がる一方、事業価値が過度に膨らむのを防ぐためROAには30%の上限を設けている。

資産価値はBPSを基準にし、自己資本比率が低い銘柄ほど割引率を強める。さらにPBRが0.5倍未満と著しく低い場合には、市場評価を潜在リスクとみなし、理論株価を減額する仕組みを組み込んでいる。これは、非常時には市場の評価を優先するという考え方を反映したものとしている。

実例と投資判断への活用

記事では、トレジャー・ファクトリーの決算短信を使った計算例も示している。事業価値の計算用EPSは当期予想の経常利益と株式数から求め、同じ数値をROA計算にも用いる。自己資本比率が33.4%から66.7%の範囲では、財務レバレッジ補正を「1÷(自己資本比率+0.333)」で計算する。

この例では、PBRが3倍超と高いため市場リスクの控除はゼロとなり、理論株価は事業価値3779円と資産価値380円を合算した4159円となる。足元の株価は1800円程度としており、理論株価と比べて割安な水準にあることが投資判断材料の一つになるとしている。

また、この手法は単独の理論株価だけでなく、関連データの中長期推移を実際の株価と並べて見る使い方にも特徴がある。業績と株価の連動性が高い銘柄では、割安度の判断や売買タイミングの見極めに特に有用だとしている。

日本の割安株を巡るアクティビストの動きについて、当サイトの以前の記事では、株主提案が配当・自社株買いといった短期還元にとどまらず、不採算事業の撤退や資本効率の改善など企業価値向上を狙う改革へ広がっている点を整理しました。企業側も、資産の使い方や事業ポートフォリオの見直しを迫られ、資本市場との対話を通じて経営改革を進める事例が増えていることを紹介しています。

この資料には第三者の意見が含まれている場合がありますが、このウェブページ上のデータおよび情報は、当社の免責事項に従って投資アドバイスを構成するものではありません。厳格な編集上の誠実性を遵守していますが、この投稿にはパートナーの製品に関する言及が含まれている場合があります。