日本企業で、経営者報酬を中長期の業績指標に連動させる比率が高まり、2025年は大企業の中央値で3割強を占めている。固定的な基本報酬や単年度連動の短期報酬との差が縮まり、研究開発や成長投資を後押しする報酬設計への転換が進んでいる。
ハイライト
- 2025年の日本企業経営者報酬中央値で中長期インセンティブ比率が32%と前年度より9ポイント上昇、基本報酬は34%に低下。
- 東京エレクトロンの中長期インセンティブ比率は57%と前年比33ポイント上昇、三菱重工業も60%(26ポイント増)に達した。
- 経営者報酬の総額中央値は日本が19%増の2億9700万円、米国が13%増の39億7500万円、UKが20%増の9億3800万円。
2025年報酬調査で見えた構成変化
日経が報じたところによると、企業統治助言会社のHRガバナンス・リーダーズは、日米英の主要株価指数に採用される時価総額上位100社を対象に、社長やCEOの2025年報酬を調べた。同社は、株主総利回り(TSR)や自己資本利益率(ROE)などに応じて増減する報酬を「中長期インセンティブ」と定義している。日本の経営者報酬の中央値では、中長期インセンティブの比率は32%と前年度から9ポイント上昇した。これに対し、基本報酬は34%と2ポイント低下し、単年度業績に連動する賞与などの短期インセンティブも34%と7ポイント下がった。
個別企業では、東京エレクトロンの中長期インセンティブ比率が57%と前年から33ポイント上昇し、三菱重工業も26ポイント高い60%となっている。2021年時点では日本の経営者報酬の半分を基本報酬が占めており、報酬体系の重心が中長期に移りつつあることがうかがえる。
人材獲得と成長投資への影響
中長期型の報酬が増えることで、成果が表れるまで時間を要する研究開発や成長投資にも経営陣が取り組みやすくなる。企業価値の持続的な向上を促すうえで、報酬制度を通じた経営規律の強化が進んでいる。経営者報酬の総額中央値は、日本が19%増の2億9700万円だった。米国は13%増の39億7500万円、UKは20%増の9億3800万円で、いずれも中長期インセンティブの比率は日本を上回っている。
HRガバナンス・リーダーズの内ケ崎茂社長は、グローバルでの人材獲得や成長投資の加速には、日本でも中長期インセンティブの割合をさらに高める必要があると指摘している。
当サイトの以前の記事では、邦銀3メガバンクがインドで出資・買収を通じて事業基盤を拡大し、合計で約1兆円規模の投資を進めている点を取り上げました。各行はリテール拡大や投資銀行機能の強化など狙いが異なる一方、規制リスクへの対応や現地事情に通じた人材確保が成否を左右すると整理しています。
最新の日本ニュース
- Forex
- Crypto