日本企業、コーヒー栽培参入拡大で価格上昇に対応

日本企業、コーヒー栽培参入拡大で価格上昇に対応
日本で拡大するコーヒー栽培

気候変動に伴う干ばつと熱波で世界のコーヒー生産の減少が見込まれるなか、日本ではコーヒー豆価格の上昇を商機とみる企業の参入が広がっている。赤道地域が主産地のコーヒーでも、温度管理した温室を使うことで国内栽培に挑む動きが製造業や商社に広がっている。

ハイライト

  • Nichibei United Corpは2024年に岡山でコーヒー栽培を開始し、8棟で1,100本超のTypica種を温室栽培中。
  • Ishizuka Glass Coは2025年春から自社工場の廃熱を活用し、約10種類のコーヒーの3年試験栽培を実施予定。
  • Yamako Farm Coは1本5万円の苗木1万本を約60社へ販売したが、1億円超の投資負担から受注制限も発生。

温室栽培への参入と事業化の課題

Japan Today Businessによると、大阪のエネルギー商社Nichibei United Corpは、岡山県総社市で2024年に新規事業としてコーヒー栽培を始めて以来、8棟の温室で1,100本超のTypica種を植えている。異業種からの参入だけに立ち上げは容易ではなく、現地運営を担う辻野健治氏は、予想外の出来事が相次いだとして農業の難しさを認めている。

初年度には雨で温室が浸水し、地下排水管の設置後に植え直しを迫られた。さらに、温室内の気温を18度から24度に保つため、夏場の日よけネットや冬場の暖房費もかさんでいる。

Typica種は栽培が難しいとされる一方、同社は将来、完全に日本国内で生産した超高級コーヒーとして販売する計画だ。愛知県のIshizuka Glass Coも2025年春にコーヒー栽培を始め、約10種類の豆を対象に3年間の栽培試験を進めている。

同社はガラス工場の溶解工程で出る約300度の廃熱を活用し、温室暖房用の温水を作っている。プロジェクト担当の新妻隆明氏は、試行錯誤が続くとしながらも、工場の熱で育てたコーヒーを全国に届ける日を思い描いていると話している。

苗木需要拡大と国内供給の制約

コーヒー栽培への関心拡大は、関連市場にも波及している。国内最大のコーヒー苗木供給会社Yamako Farm Coは、1本5万円の苗木1万本を約60社に販売した。

同社は商談会に参加すると数百件の問い合わせを受けるという。ただ、山本耕介社長は事業の採算化には1億円超の投資が必要だと述べており、受注を断らざるを得ない場面も多いとしている。

コーヒー相場の上昇が続くなか、国内での温室栽培は新たな事業機会として注目を集めている。一方で、設備投資や運営コスト、栽培ノウハウの蓄積が参入拡大の鍵になっている。

当サイトの以前の記事では、再生可能エネルギーの拡大を背景に、日本で系統用蓄電池への投資が急増している状況を整理しました。需給調整市場による高い収益期待が参入を後押しする一方で、市場ルールの見直しや競争環境の変化が投資回収の前提を揺るがしかねない点も解説しています。

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