日立製作所の株価は、2026年2月の上場来高値から2割超低い水準で推移している。2027年3月期の業績見通しが市場予想に届かず、社会インフラ向けAI戦略の収益拡大に対する投資家の不安が重荷となっている。
ハイライト
- 日立製作所の株価は6月12日に4657円で終え、2月の高値6039円から23%下落、業績見通し未達が重し。
- 2027年3月期連結純利益予想は前期比6%増の8500億円だが、市場予想の9100億円には届かなかった。
- ITサービス事業環境悪化や米国でのシステム内製化進展で収益性への警戒感が強まり、市場の慎重姿勢が継続。
業績見通しとAI戦略への懸念
日経ヴェリタスによると、日立製作所の株価は6月12日に前日比2円高の4657円で終えたが、2月に付けた上場来高値6039円からは23%安い水準にある。株価の重しとなっているのは、4月27日に公表した2027年3月期の連結業績予想で、純利益は前期比6%増の8500億円と過去最高を見込む一方、市場予想の9100億円程度には届かなかった。
市場では、社会インフラにAIを実装する「フィジカルAI」が今後の収益成長を押し上げるとの期待がやや後退している。日立は6月10日の投資家向け説明会で懸念の払拭を図っているが、現時点では慎重な見方がなお優勢となっている。
ITサービス事業と市場環境の圧力
投資家の警戒感の背景には、売上収益の3割弱を占めるITサービス事業を巡る事業環境の変化がある。自律的に働くAIエージェントが一部業務を代替し、市場成長が鈍化する可能性が意識されている。加えて、U.S.では顧客企業によるシステムの内製化が進み、価格競争が激しくなっているという。こうした外部環境の変化は、日立が掲げるデジタルと社会インフラを軸とした成長シナリオに対し、市場がより厳しい収益性の検証を求めていることを示している。
当サイトの以前の記事では、日本の個人投資家の間で生成AI需要を追い風にAI・半導体関連の大型株へ資金が向かっている点を取り上げました。NISAの利用拡大や高配当志向も重なり、成長期待と株主還元の両面を意識した投資行動が強まっていること、さらに売買判断にAIツールを活用する投資家が増えていることが示されました。
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