日本の求人市場、5月の有効求人倍率が1.17倍に低下

日本の求人市場、5月の有効求人倍率が1.17倍に低下
求人倍率1.17倍に低下

日本の雇用指標は5月にやや弱含み、有効求人倍率は2カ月ぶりに低下する一方、完全失業率は前月と同じ2.5%にとどまっている。物価高に伴う採用抑制や省人化に加え、中東情勢の悪化が石油関連産業の求人減少にも影響している。

ハイライト

  • 5月の有効求人倍率は1.17倍に低下、有効求人数は前月比0.3%増だが求職者が0.7%増と上回った。
  • 新規求人数は前年同月比8.9%減、生活関連サービス・娯楽などで16%以上の大幅減少を記録。
  • 中東情勢と物価高が石油製品製造業で30.8%減など製造業全体の採用計画を大きく抑制している。

5月雇用統計の内容と業種別の動き

日本経済新聞によると、厚生労働省が30日に発表した5月の有効求人倍率は季節調整値で1.17倍となり、前月から0.01ポイント低下している。総務省が同日公表した完全失業率は季節調整値で2.5%と横ばいで、雇用環境は全体として足踏みが続いている。

有効求人倍率は、全国のハローワークで仕事を探す人1人当たりに何件の求人があるかを示す指標だ。5月は有効求人数が前月比0.3%増、有効求職者数が0.7%増となり、求職者の増加幅が上回った。

厚生労働省の担当者は、物価高のため、より良い条件を求めて求職する人が増えていると説明している。景気の先行指標とされる新規求人数は原数値で前年同月比8.9%減となり、13カ月連続の減少となっている。

業種別では、生活関連サービス・娯楽が16.9%減と最も大きく落ち込み、卸売業・小売業が16.8%減、宿泊・飲食サービスが14.4%減で続いている。クリーニング店のボイラーで重油を使う洗濯業では、重油の入荷が難しくなり事業を縮小したとの声も出ている。

物価高と中東情勢が採用に与える影響

製造業を細かくみると、石油製品・石炭製品製造業の新規求人数は30.8%減、化学工業は18.8%減となっている。中東情勢の混迷が原料や燃料の調達環境に影響し、関連業種の採用計画を下押ししている可能性がある。

今回の統計は、国内の雇用情勢が急激に悪化しているわけではない一方で、企業の採用姿勢が業種ごとに慎重になっていることを示している。特にコスト上昇の影響を受けやすいサービス業や石油関連産業では、今後も求人動向が景気や国際情勢に左右されやすい局面が続きそうだ。

当社の以前の記事では、中東情勢の混迷を背景に原油高とインフレ圧力が強まるなか、石油危機の教訓を踏まえた物価対応や産業政策の課題を整理しました。日本の原油調達が中東に高く依存している現状や、代替調達・備蓄・補助金運用といった価格抑制策の論点に加え、コスト増が供給網維持や産業構造の転換投資を促す可能性にも触れています。

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