神戸市中心部で住宅の非居住化を抑える制度設計が具体化している。市の有識者会議は10日、空室所有者に課す「空室税」の答申案を示し、対象をタワーマンションに限らず分譲マンション全体に広げた。
ハイライト
- 神戸市は都心機能誘導地区314ヘクタールで、現行のタワーマンションから分譲マンション全体への空室税対象拡大を答申案に盛り込んだ。
- 納税義務を物件所有者とし、非居住判定は主に住民票の有無で判断、水道使用量判定案は見送りとなった。
- 空室税導入には市議会条例可決および総務大臣同意が必要で、都心の住宅利用抑制政策強化につながる可能性がある。
答申案の対象範囲と判定基準
日本経済新聞によると、居住と税制のあり方を検討する神戸市の有識者会議は第6回会合で、JR新神戸駅からJR神戸駅にかけての「都心機能誘導地区」314ヘクタールを空室税の対象地域に想定した。課税対象の物件は分譲マンションとし、戸建て住宅は含めない。納税義務者は物件の所有者とする方向で、非居住かどうかは住民票の有無を基本に判断する。住民票がない場合は、必要に応じて納税実績なども調べる。姉妹都市のスペイン・バルセロナ市が採用する水道使用量の確認も検討したが、居住実態との線引きが難しいとして採用を見送る。
神戸市は2025年5月、投資目的などで住む人がいない住戸の増加を防ぐため、この有識者会議を設けた。当初はタワーマンションを想定していたが、同じ階層で比較すると中心部では一般マンションの非居住割合も同水準とみられ、2026年1月の4回目会合では分譲マンション全体を対象にすべきだとの意見が大勢を占めた。
導入までの手続きと都心政策への影響
有識者会議は今回を最後とし、今後は田中治会長が細部を修正した最終答申案をまとめる。市が答申を受けて空室税を導入する場合は、市議会での条例可決に加え、総務大臣の同意が必要になる。神戸市は都心部への人口集中を防ぐため、「都心機能誘導地区」でタワーマンション建設を規制している。2020年にはJR三ノ宮駅周辺で住宅の新築を禁じ、その他の地区内でも住宅容積率を最大400%とした。空室税は、タワーマンションに関する別の有識者会議が2025年に物件管理の手法として提案しており、都心の住宅利用を抑制する政策の一段の強化につながる可能性がある。
当サイトの以前の記事では、2025年度の地方税収が計画を大きく上回り、都道府県と市区町村の合計で過去最高を更新した点を整理しました。個人住民税の伸びが全体を押し上げる一方、物価高や人件費上昇で財政需要も膨らんでおり、増収を住民サービスと持続可能な財政運営の両立にどう活かすかが課題になるとお伝えしました。
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