金融庁、口座不正利用対策で情報共有ルールを改正へ

金融庁、口座不正利用対策で情報共有ルールを改正へ
口座不正利用対策改正

金融庁は、預金取扱金融機関の口座不正利用対策を強化するため、犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の改正を公布・公表した。改正では、不正利用口座に関する情報共有の努力義務を新設し、令和9年4月1日から施行・適用する予定だ。

ハイライト

  • 金融庁は不正利用口座の情報共有強化を目的にルールを改正し、令和9年4月1日から施行・適用する。
  • 預金取扱金融機関は不正な口座情報を他行と共有する努力義務を負い、受領先も分析や防止策の努力義務を新設される。
  • 制度改正によって疑わしい口座の早期把握が期待される一方、金融機関には情報管理体制強化など実務負担の増加が見込まれる。

改正内容と施行スケジュール

Financial Services Agencyの公表によると、今回の改正は「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」で示された方針を踏まえ、預金取扱金融機関の間で不正利用口座に関する情報共有の枠組みを整備するものだ。金融庁は令和8年3月27日から4月27日まで改正案への意見を募集し、19先から計54件の意見を受け付けた。

改正後は、預貯金取扱事業者に対し、犯罪や犯罪収益の移転に利用され、またはそのおそれがあると認めた口座について、適正な情報管理と安全管理の措置を定めたうえで、取引時確認などに必要な情報を他の預貯金取扱事業者へ提供する努力義務を課す。情報提供を受けた側にも、受領情報を整理・分析し、必要に応じて犯罪収益移転防止に必要な措置を講じる努力義務を新たに設ける。

あわせて、主要行等向けの総合的な監督指針なども見直し、金融機関が情報共有の枠組みに参加して不正利用口座の情報を提供し、受領した情報を使って適切なリスク低減策を講じることを規定する。関連する命令などは本日付で公布・公表され、令和9年4月1日から施行・適用される。

金融機関の実務と不正送金対策への影響

今回の制度改正は、銀行などの預金取扱金融機関に対し、個別対応にとどまらない業界横断の不正対策を求める内容となる。口座情報の共有と分析を制度上後押しすることで、詐欺や不正送金に使われる疑いのある口座の早期把握と対応の迅速化が見込まれる。

一方で、金融機関には情報管理体制の整備や共有手順の明確化が求められ、実務負担は増す可能性がある。金融庁は、寄せられたコメントの概要と考え方を別紙で示しており、今後は施行までに各金融機関が内部ルールや運用体制を整えることが焦点になる。

当サイトの以前の記事では、重要経済安全保障情報保護・活用法の運用状況に関する初の国会報告として、政府が9機関で20件の重要経済安保情報を指定した点を整理しました。あわせて特定秘密の件数増加や適性評価の拡大が示される一方、文書管理の不適切事案も確認され、情報管理体制の強化と運用面の課題が浮き彫りになったことを解説しています。

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