三菱重工の「もがみ」型、武器輸出緩和で防衛装備の開拓モデルに

三菱重工の「もがみ」型、武器輸出緩和で防衛装備の開拓モデルに
もがみ型、輸出の新星

日本政府は防衛装備品の移転要件を緩和し、護衛艦やミサイルを含む輸出先の開拓を加速する方針だ。オーストラリアで成約した三菱重工業の「もがみ」型護衛艦は、相手国向けの改良のしやすさや耐久性を強みに、今後の輸出拡大の成功例として位置づけられている。

ハイライト

  • 政府は4月下旬にも現行規定を撤廃し、護衛艦やミサイルなど完成品の武器輸出を解禁、国会承認は不要に変更。
  • オーストラリアが2025年に「もがみ」型を採用と決定し、カスタマイズ性や省人化・耐久性でドイツ製より高評価を獲得。
  • ニュージーランドやフィリピンとも艦艇輸出案件が進行中で、「もがみ」型の実績を活かし今後の海外展開拡大を目指す方針。

輸出制度緩和と艦艇案件の拡大

日本経済新聞が報じたところによると、政府は4月下旬にも、防衛装備品の完成品を救難、輸送、警戒、監視、掃海の5類型に限って輸出できる現行規定を撤廃し、護衛艦やミサイルといった武器の輸出を可能にする。14日に自民党が了承した政府案では、武器輸出に国会承認を求めず、事後通知にとどめる一方、輸出先での適正な扱いを確認するモニタリング体制を強化する。

輸出先は、日本が防衛装備品・技術移転協定を結ぶ国に限定され、米欧やアジアなど17カ国が主な候補になる。日本企業にとっては、海上自衛隊向けに生産してきた艦艇を海外展開しやすくなる環境が整う。

具体的な案件では、ニュージーランドが次期フリゲート艦への日本製採用に意欲を示し、フィリピンとは中古護衛艦の輸出交渉に入っている。小泉進次郎防衛相は2025年11月、インドネシアのシャフリ国防相に海上自衛隊の護衛艦と潜水艦を示し、売り込みを進めていた。

豪州採用が示す競争力

オーストラリアが2025年に「もがみ」型を採用した判断は、日本製防衛装備の競争力を測る材料になっている。豪州海軍は次期フリゲート艦の最終候補をドイツ製と日本製に絞り、日本側が豪州の要求に合わせた改良提案を示した点を評価した。

豪軍はU.S.との相互運用を重視し、艦艇にU.S.製ミサイル「トマホーク」を搭載することを望んでいた。これに対し、三菱重工業などは「もがみ」型を搭載装備のカスタマイズがしやすい設計にしており、トマホーク対応の改良型を共同開発する案を提示した。

品質面でも、日本製は艦体寿命や年間稼働日数でドイツ製を上回ったとされる。「もがみ」型は90人で運用でき、120人を必要とするドイツ製より省人化でも優位性を示した。

一方、世界の武器輸出市場では韓国がスピードと費用対効果で存在感を高めている。2022年には自走砲「K9」や戦車「K2」のポーランド向け売却が決まり、需要増加の局面で迅速に供給を始めた。日本は価格や納入速度での弱点克服を進めるなか、「もがみ」型の成約をカスタマイズ性、耐久性、費用対効果が評価された実績として今後の輸出拡大につなげる考えだ。

当社の以前の記事では、2026年度予算で集計した日本の防衛関連費が総額10兆6千億円規模となり、GDP比では算定基準によって1.9%または1.5%になる点を整理しました。年末までに予定される安全保障関連3文書の改定や装備品調達の議論に影響し得るほか、たばこ税・法人税・所得税の増税を含む財源確保が引き続き焦点になることも伝えています。

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