中東情勢を背景にナフサの供給不安が強まり、食品業界では価格改定の圧力が再び高まっている。帝国データバンクは、包装資材やエネルギー、物流費の上昇を受けて、6月にも値上げラッシュが再燃する懸念があるとみている。
ハイライト
- 帝国データバンクの調査で9月までに累計6290品目が値上げ予定、包装資材のコスト上昇が7割を占め最高水準に達した。
- ナフサ不足による包装資材費高騰で企業の販売価格転嫁が加速、夏から秋にかけて値上げラッシュ再燃の可能性が高まっている。
- 山崎製パンは7月から一部商品の値上げ、オタフクソースも業務用一部品目を販売休止し、食品業界全体で採算悪化懸念が強まっている。
価格改定の広がりと調査の焦点
帝国データバンクの30日の食料品価格動向調査によると、主要食品メーカー195社を対象に集計した値上げは、4月末までの判明分で9月までに累計6290品目となっている。前年同月時点の1万4409品目と比べると約6割少ないものの、要因別では「包装資材」が7割を占め、同社が集計を始めた2023年以降で最高水準となった。足元では、ナフサ不足に伴う包装資材費の上昇が表面化しており、企業がコスト増を販売価格に転嫁する動きが強まっている。同社は、早ければ今夏中、遅くとも秋ごろに広範囲で値上げラッシュが再燃する可能性が高いとしている。
5月の単月の値上げ品目数は70品目で、4カ月ぶりに100品目を下回る見通しだ。対象にはチョコレート菓子などが含まれるが、先行きについては年間の値上げ品目数が最低でも1万品目を超える可能性があるとみている。
食品メーカーの対応と業界への影響
個別企業では、山崎製パンが原材料と包装資材の高騰を受け、7月から一部のパンや菓子を値上げする。オタフクソースは一部の業務用商品の販売を一時休止しており、原材料や資材の調達環境の悪化が供給面にも波及している。帝国データバンクが4月9日に公表した原油高に関するアンケート調査では、原油高がいつまで続くと主力事業の縮小につながるかとの質問に対し、食品企業の56%が「半年未満」と回答した。エネルギーや物流に加え、石油由来の包装資材コストが重なることで、食品製造業では採算悪化への警戒が一段と強まっている。
当社の以前の記事では、山崎製パンが原材料費や物流費、包装資材費の上昇を受け、7月出荷分から食パンや菓子パン、和洋菓子など計306品目を値上げする動きを取り上げました。輸入小麦の売渡価格引き上げや中東情勢を背景とする資材コスト増が、価格転嫁を後押ししている点も整理し、店頭価格や業界全体の採算への波及が意識される状況を伝えました。
最新の石油ニュース
- Forex
- Crypto