日本の実質賃金、3月に3カ月連続増加、エネルギー抑制策が家計負担を緩和

日本の実質賃金、3月に3カ月連続増加、エネルギー抑制策が家計負担を緩和
実質賃金3カ月増加

日本の家計所得は3月、物価上昇の圧力が和らいだことで実質ベースで増加している。政府によるエネルギー価格の抑制策が消費者物価を押し下げ、賃上げの効果が実質賃金に反映されている。

ハイライト

  • 厚生労働省の3月毎月勤労統計調査速報で、実質賃金が前年同月比1.0%増、3カ月連続プラスとなった。
  • 名目賃金は31万7254円で2.7%増、所定内給与3.2%増と、所定内給与の伸び率が3カ月連続で3%超を記録した。
  • エネルギー価格の5.7%下落や政策的物価抑制策が家計負担を緩和し実質賃金増へ寄与、今後の持続性は政策動向次第。

3月賃金統計の内容と物価押し下げ要因

日本経済新聞によると、厚生労働省が8日に公表した3月の毎月勤労統計調査速報では、従業員5人以上の実質賃金が前年同月比1.0%増となり、3カ月連続のプラスとなっている。名目賃金を示す1人当たりの現金給与総額は31万7254円で2.7%増え、基本給にあたる所定内給与は27万1313円で3.2%増えた。

所定内給与の伸び率が3%を超えるのは3カ月連続で、1992年10月以来の水準となっている。2025年の春季労使交渉による賃上げや最低賃金の引き上げが広がり、賃金の押し上げにつながっている。

実質賃金の計算に使う3月の消費者物価指数、持ち家の家賃換算分を除く総合は1.6%上昇した。一方でエネルギー価格は前年同月比5.7%下落し、2025年末のガソリン税の旧暫定税率廃止や、2026年1月の電気・ガス代補助の再開といった政策が物価抑制に寄与している。

雇用形態別の動きと統計方式の変更

総実労働時間は132.7時間で横ばいだった。就業形態別では一般労働者が0.8%増の158.9時間となる一方、パートタイム労働者は2.0%減の76.9時間だった。

厚生労働省は2025年3月分から、実質賃金の算出に消費者物価の総合指数を使う新方式を導入している。新方式でみた3月の実質賃金は1.3%増となり、従来方式より0.3ポイント高い。

実質賃金の改善は個人消費の下支え要因となり得るが、その持続性は賃上げの定着と政策効果の継続に左右される。エネルギー関連の支援策による物価抑制が続くかどうかが、今後の家計購買力を見通すうえで重要になる。

当社の以前の記事では、中東情勢の混迷を受けて再開したガソリンなどの燃料価格抑制策について、3月分の補助金支出が約1,800億円に達し、原資となる基金残高が4月末時点で約9,800億円になった点を整理しました。あわせて、予備費の繰り入れで当面の財源を手当てした一方、基金枯渇の可能性が意識されることで、補助の継続余力や石油元売りの販売環境・価格形成に影響が及び得ることも指摘しています。

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