パナソニックHD、構造改革効果で2027年3月期純利益2.2倍を計画

パナソニックHD、構造改革効果で2027年3月期純利益2.2倍を計画
パナソニックHD収益急増

パナソニックホールディングスは、前期に計上した構造改革費用の反動と固定費削減を背景に、2027年3月期の収益改善を見込んでいる。住宅設備子会社の連結除外で売上高は減少する一方、データセンター向け蓄電システムや航空用電子機器が利益成長を支える見通しだ。

ハイライト

  • パナソニックHDは2027年3月期の連結純利益を前期比2.2倍の4,200億円、営業利益を2.3倍の5,500億円と見込む。
  • 早期退職で1万2,000人を削減し1,450億円の増益効果を見込む一方、2026年3月期は純利益48%減の1,895億円となった。
  • AIインフラ分野で2029年3月期に売上高1兆4,000億円、調整後営業利益2,900億円を目指し3年間で約5,000億円を投資する方針。

業績見通しと構造改革の効果

日本経済新聞が報じた内容によると、同社は5月12日、2027年3月期の連結純利益が前期比2.2倍の4,200億円になる見通しだと発表した。前期に実施した早期退職で1万2,000人を削減し、1,450億円の増益効果を見込む。純利益見通しはQUICKコンセンサスの4,467億円を下回るものの、達成すれば2024年3月期に次ぐ高水準となる。

売上高は6%減の7兆6,000億円、営業利益は2.3倍の5,500億円を見込む。経営指標として重視する調整後営業利益は2027年3月期に過去最高の6,000億円となる見通しで、年間配当も過去最高の54円を計画し、前期比14円の増配となる。

一方、2026年3月期の連結決算は売上高が前の期比5%減の8兆487億円、純利益が48%減の1,895億円だった。早期退職募集に伴う退職金など、構造改革費用の計上が業績の重荷となった。

AIインフラ投資と成長戦略の焦点

同社は同日、今後の成長戦略も公表し、データセンター向け蓄電システムや多層基板材料などAIインフラ関連で、2029年3月期に売上高1兆4,000億円、調整後営業利益2,900億円の達成を目指す方針を示した。デバイス開発と生産増強に向け、2029年3月期までの3年間で約5,000億円を投資に振り向ける。

事業構造改革では、YKKに株式の80%を譲渡したパナソニックハウジングソリューションズが連結から外れるため売上高は縮小する。ただ、産業デバイス・メカトロニクス事業では、ミネベアミツミへの車載モーター事業などの売却や材料見直しを通じて、課題事業からの脱却を図るとしている。

もっとも、かつて成長の柱と位置づけていたEV向け電池事業には不透明感が残る。2026年3月期中の量産開始を計画していた新型車載電池「4680」は、なお量産のめどが立っていない。岩井コスモ証券の清水範一シニアアナリストは、AIインフラ需要を成長の柱に据える戦略は株価に大きな影響を与える可能性がある一方、地政学リスクなどで需要シナリオが崩れた場合の懸念もあるとみている。

当社の以前の記事では、キオクシアホールディングスの決算発表を前に、AI半導体向け需要を追い風としたメモリー販売の伸びと、利益拡大がどこまで続くかが市場の焦点になっている点を整理しました。あわせて、メモリー市況の回復やAI関連投資の業績への反映度に加え、為替の不透明感が日本株全体の地合いに影響し得ることも取り上げました。

この資料には第三者の意見が含まれている場合がありますが、このウェブページ上のデータおよび情報は、当社の免責事項に従って投資アドバイスを構成するものではありません。厳格な編集上の誠実性を遵守していますが、この投稿にはパートナーの製品に関する言及が含まれている場合があります。