フジクラ、米光ファイバー増産に最大2600億円投資、データセンター需要拡大に対応
生成AIの普及を背景に、データセンター向け通信インフラの増強が米国で加速するなか、フジクラは光ファイバーケーブルの生産能力拡大に向けた大型投資を打ち出した。国内投資400億円と合わせた総投資額は最大3000億円となり、2036年3月期に営業利益5800億円を目指す長期成長計画の柱に据える。
ハイライト
- フジクラは米国で最大2600億円を投資し、光ファイバーケーブルの増産と米データセンター需要拡大に対応する。
- 新中期経営計画では2029年3月期売上高1兆6000億円、営業利益3150億円を目指すが、これは市場予想の4605億円を大幅に下回る。
- 新計画発表後、株価は17%下落して4695円となり、水素不足やAI投資減速も今後の業績に不透明感を与えている。
米国投資の内訳と中計目標
日本経済新聞によると、フジクラは19日、米国で最大2600億円を投じて光ファイバーケーブルを増産すると発表した。3月に公表済みだった最大3000億円の投資方針について、地域別の内訳を示した形で、既に明らかにしている国内投資400億円と合わせて需要対応を進める。
米国ではデータセンター建設ラッシュが続いており、拠点間を結ぶ通信網の整備にも光ケーブルが必要になっている。岡田直樹社長は、需要は膨大だとして、生産能力の拡大と革新的な製造技術の導入で競争優位の確立を目指す考えを示した。
同日公表した新たな中期経営計画では、2029年3月期の売上高を2026年3月期比35%増の1兆6000億円、営業利益を同67%増の3150億円とする計画を示した。光ケーブルやコネクターを含む情報通信事業が成長をけん引し、売上高は61%増の1兆500億円、営業利益は87%増の2850億円を見込む。
会社は投資効果が表れる時期を2030年以降とみており、2031年3月期に売上高2兆1000億円、営業利益3800億円を目指す。さらに2036年3月期には売上高2兆8000億円、営業利益5800億円まで引き上げたい考えだ。
市場の反応と事業拡大への課題
一方で、株式市場では今回の計画に対する失望感が広がっている。QUICKコンセンサスの18日時点の事前予想では、2029年3月期の営業利益は4605億円だったため、会社計画は市場期待を下回った。14時台の新中計発表後に株価は急落し、終値は前日比958円安、17%下落の4695円だった。岡田社長は、結果を見れば市場の期待がもっと高かったのかもしれないと述べ、13日の前期決算発表前から株価が4割下げている状況にも言及した。
足元では、光ファイバーの原燃料となる水素の不足が生産に影響している。中長期ではAI投資の減速も懸念材料で、新中計で打ち出した核融合発電向け超電導線材などの新分野も、現時点では事業規模が限られており、先行きには不透明感が残る。
当社の以前の記事では、2026年1〜3月期の日本の実質GDPが市場予想を上回り、個人消費や企業投資の底堅さが成長を支えた点を整理しました。あわせて、中東情勢に起因するエネルギー高がインフレ圧力を強め、長期金利の上昇や円安を通じて企業収益や家計に波及し得ること、政策運営が市場安定のカギになることにも触れました。
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