楽天グループ、金融再編で年850億円超の利益効果を見込む

楽天グループ、金融再編で年850億円超の利益効果を見込む
楽天金融再編で収益増

楽天グループは10月に金融事業を再編し、楽天銀行の傘下に主要な金融子会社を集約して収益力の引き上げを狙う。みずほフィナンシャルグループは楽天銀行に5.8%出資し、カードや証券に加えて銀行分野でも連携を広げる。

ハイライト

  • 楽天グループは10月の金融再編で楽天銀行を親会社とし、年850億円超の経常利益効果を見込む新体制を発表。
  • みずほフィナンシャルグループは楽天カードの出資を約15%引き揚げて楽天銀行に切り替え、楽天証券への49%出資は維持する。
  • 再編後の楽天銀行の経常利益は2000億円規模、30年3月期までに4000億円超へ拡大計画でグループ財務基盤強化を目指す。

10月再編の枠組みと収益改善策

日本経済新聞によると、楽天グループは20日、楽天カードと楽天証券ホールディングスを楽天銀行の子会社とする新体制を発表した。楽天銀行は上場を維持し、みずほフィナンシャルグループは楽天カードへの約15%出資を引き揚げる一方で、楽天銀行への出資に切り替える。楽天証券への49%出資は維持する。

再編では、楽天カードや楽天証券の借り入れ先を外部から楽天銀行へ切り替えることで金利負担の抑制を見込む。グループ内で資金を効率運用しやすくなることに加え、顧客基盤の強化も進め、中期的に経常利益で年850億円超の効果を生むとしている。

金融サービスのアプリは1つに統合し、各社のデータ連携を進めてマーケティング効率も高める。口座開設時の本人確認手続きも共通化し、利用者の申込負担を減らす方針だ。

みずほとの連携拡大とグループ財務への波及

みずほとの協業はこれまでクレジットカードや証券が中心だったが、今後は銀行事業にも広がる。24年から発行している「みずほ楽天カード」に関連する協業は、出資見直し後も継続する。みずほは追加出資を行わず、関係者によると従来の資本関係と比べて影響力は対等な形になる。

楽天証券はNISA口座の開設需要が強く、みずほは若年層の資産形成ニーズを楽天側で取り込み、将来的に自社サービスへつなげることを狙う。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、日本経済新聞の取材に対し、再編後の金融事業は売上規模でSoFiやPayPayを上回る水準を目指す考えを示している。

再編後の楽天銀行の経常利益は2000億円規模となる見込みで、30年3月期までに4000億円超へ拡大する計画だ。楽天グループにとって金融事業は「楽天市場」などのネットサービスと並ぶ中核であり、25年12月期のNon-GAAP営業損益は前の期比3割増の1999億円だった。26年度には携帯電話事業の設備投資に2000億円超を投じる計画があり、27年には4000億円超の社債償還も控えるなか、金融収益の拡大はグループ全体の財務基盤強化に直結する。

当社の以前の記事では、みずほ証券の2026年3月期決算について、国内外の引受業務やM&A助言が好調で純営業収益が過去最高となり、投資銀行部門が増益を主導した点を整理しました。あわせて、社員による不正取引疑惑を受けた当局の強制調査と、その業績への影響が限定的にとどまる可能性にも触れています。

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