日本、対日投資審査を厳格化する改正外為法が成立

日本、対日投資審査を厳格化する改正外為法が成立
対日投資審査を強化

日本は海外からの対日投資に対する安全保障審査を強めるため、改正外為法を29日に成立させた。新たに日本版CFIUSの創設を進め、外国政府の実質的な支配下にある企業や間接保有を含む投資の監視範囲を広げる。

ハイライト

  • 改正外為法が29日に成立し、日本版CFIUS創設に向けて対日外国投資委員会の設置準備が進む。
  • 改正法は外国政府支配企業や間接保有取引、日本企業の実質外国資本支配を新たに審査対象に追加した。
  • MBKパートナーズによる買収案件で判断基準の差異が注目されており、市場は当局審査の透明性や影響に関心を寄せている。

新制度の枠組みと審査対象の拡大

日本経済新聞によると、改正外為法は29日の参院本会議で可決、成立し、政府は省庁横断の対日外国投資委員会、日本版CFIUSの創設に向けて体制整備を進める。財務省と国家安全保障局(NSS)が共同議長を務め、経済産業省や防衛省などの参加を想定している。

改正法では、外国政府の実質的な支配下にある企業などの投資を新たに審査対象に加える。日本企業の議決権を持つ外国企業の株式を別の外国投資家が取得する間接保有も審査対象とし、外国の政府や国営企業と事実上一体となっている日本企業についても、外国投資家とみなして審査できるようにする。

従来の外為法は、鉄道や上水道などの社会インフラ、先端技術を持つ国内産業を安全保障上重要な指定業種と位置づけ、一定以上の株式取得を事前審査の対象としてきた。改正法では、安全保障への影響が特に大きいと判断した場合、指定業種以外への投資でも報告を求められるようにする。

案件審査への影響と市場の関心

今回の法改正は、重要技術や機微情報の流出防止を狙う一方で、個別案件における当局判断の幅を広げる可能性がある。とくに外国資本による日本企業買収では、投資家の資本関係や実質支配の構造まで精査する流れが強まる。

外為法を巡っては、政府が4月にアジア系投資ファンドMBKパートナーズによる牧野フライス製作所の買収計画に中止勧告を出した。一方で、5月にはMBKによるアルテミラ・ホールディングスの買収を事前審査で承認しており、どのような基準で判断が分かれたのかに市場の関心が集まっている。

日本の企業統治改革では、金融庁によるコーポレートガバナンス・コード改訂などを通じて、資本効率の改善に加えて持続的な利益成長につながる成長戦略の明確化が企業に一段と求められている点を当社の以前の記事で整理しました。市場再編後の上場環境の変化も踏まえ、投資と株主還元の最適配分や投資家との対話強化が、中長期での市場評価を左右する論点として取り上げています。

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