世界的な海運・造船市況の回復を追い風に、古野電気の業績拡大が続いている。2026年2月期は純利益と売上高がともに3期連続で過去最高を更新し、商船向け機器を中心に事業環境の強さが続いている。
ハイライト
- 古野電気の古野社長は、造船需要のピークは2035年と予測し、建造能力過剰には至らないと発言した。
- 売上高の約4割を占める商船向け機器は、海運・造船市況の回復で同社収益を直接押し上げている。
- プレジャーボート機器市場は年率6%から10%成長が見込まれ、主力の商船向けと重なり事業基盤が強化されている。
海運市況回復と需要見通し
Nikkei系の日経ヴェリタスが報じたインタビューで、古野幸男社長は造船のピークは2035年になるとの見方を示し、建造能力が過剰な状態には至らないとの認識を明らかにした。足元の業績拡大については、新型コロナウイルス禍を契機にU.S.で家具や物資の需要が増え、低金利政策による景気回復も重なって海上運賃が急騰し、新造船需要が膨らんだことを背景に挙げている。
同社によると、売上高の約4割を商船向け機器が占めており、海運・造船市況の回復が収益を直接押し上げている。古野社長は、2008年のリーマン・ショック後に冷え込んだ海運市況と、その前後に中国の造船所で進んだ能力拡大の反動で操業停止や廃業が相次いだ経緯にも触れたうえで、こうした設備がコロナ後に再び動き始めていると説明している。
プレジャーボート市場と事業への波及
商船向けに加え、富裕層向けのプレジャーボート関連機器も堅調に推移している。古野社長は、プレジャーボート向け市場について年率6%から10%の成長を見込んでいるとし、欧米では釣り用途でソナーを搭載するクルーザーが多いと述べた。同市場ではレジャー仕様のソナーが中心となる一方、高機能な製品を求める顧客には業務用ソナーも選ばれているという。商船向け機器が主力である同社にとって、海運市況の回復とレジャー分野の成長が重なることで、事業ポートフォリオの広がりと収益基盤の厚みが増している。
当サイトの以前の記事では、ホルムズ海峡をめぐる供給制約を背景に、日本の原油・ナフサ輸入量が大幅に落ち込んだ状況を取り上げました。あわせて、政府が中東以外からの代替調達拡大や国家備蓄の活用で供給を下支えする一方、企業側ではコスト増や物流体制の組み替えが継続課題になる点も整理しています。
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