日本の水産物輸出、海外需要拡大で過去最高
国内の魚介類消費が減少するなか、日本の水産物輸出は2025年に4231億円となり、前年を17.2%上回って過去最高を更新した。数量ベースでも64万トンと前年から42.9%増え、政府の輸出拡大策が販売先の多様化と需要取り込みを後押ししている。
ハイライト
- 2025年度水産白書によると、日本の水産物輸出額が過去最高を更新、ホタテが最大品目で輸出先は香港、U.S.、ベトナムが上位。
- 政府はカキ、ホタテ加工品などを2025年から重点輸出品に追加し財政支援や施設整備を拡充、水産企業の販路拡大を後押し。
- 日本の1人当たり魚介類消費量は2001年度ピークから半減し、安定供給と成長戦略として養殖業、特にブリの国際優位性が注目されている。
白書が示した輸出拡大の中身
水産庁の2025年度水産白書によると、輸出額ベースで最も大きかった品目はホタテで、ブリと真珠が続いた。輸出先は香港が首位で、U.S.とベトナムがこれに続き、日本産水産物の海外販路がアジア以外にも広がっていることがうかがえる。白書は、水産業の持続的な発展には水産物輸出の大幅な拡大を通じて世界の食品市場を取り込むことが重要だとしている。政府は2025年に、カキとその加工品、さらにホタテ加工品を重点輸出品目に追加し、ブリやマダイなどに加えて輸出支援の対象を広げている。
あわせて、関連事業者への財政支援や、輸出先の衛生基準を満たすための施設整備支援も進めている。国内需要の弱さを補いながら外需を育てる政策が、水産関連企業の販売機会拡大につながっている。
養殖拡大が業界の成長軸に
2024年度の1人当たり魚介類消費量は21.3キログラムとなり、2001年度のピークからほぼ半減した。こうした内需の縮小を背景に、安定供給が可能な養殖は今後の水産業を支える分野として位置付けられている。白書では、天然漁獲より供給の安定性が高い養殖が、今後の水産業で重要な役割を担う可能性が高いと指摘した。養殖ブリは世界の供給量の約8割を日本が生産しており、完全養殖技術の確立によって一部商品は海外で高付加価値ブランドとして評価されている。
一方で、サーモンとマスは現在もチリ産とノルウェー産への依存が大きいが、国内ではこれら魚種の養殖技術の開発が近年進んでいる。海水温など自然条件の変動を受けにくい陸上養殖への期待も高まっており、スタートアップや大手企業の参入が業界の投資機会を広げている。
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