日本の旅行収支黒字、4月は訪日消費鈍化で25%減

日本の旅行収支黒字、4月は訪日消費鈍化で25%減
旅行収支4月は25%減

日本のサービス収支を支える旅行収支は、訪日客の消費減少と日本人の海外消費増加を受けて、4月に前年同月比で大きく縮小している。中東情勢の混乱が欧州路線や中東路線の需要に波及しており、今後は燃油高による渡航コスト上昇も下押し要因として警戒される。

ハイライト

  • 4月の旅行収支黒字は5465億円で前年同月比25.2%減、訪日外国人消費は17.9%減の7672億円、日本人海外消費は8.2%増の2207億円。
  • 4月の訪日客数は369万2200人で5.5%減、中国からの訪日客は半減、欧州・中東地域からの訪日需要も2割以上減少。
  • 中東情勢悪化と燃油サーチャージ上昇が、遠距離からの訪日客減少と旅行収支黒字幅縮小のリスク要因となっている。

4月統計に表れた訪日需要の変化

According to Nikkei, 財務省が6月8日に発表した国際収支統計の速報によると、4月の旅行収支は5465億円の黒字となり、前年同月比で25.2%減少している。旅行収支は訪日外国人の宿泊や飲食などの支出から、日本人の海外での支出を差し引いたもので、経常収支のうちサービス収支に含まれる。

4月は訪日客が日本国内で消費した金額が7672億円と17.9%減り、日本人が海外で消費した金額は2207億円と8.2%増えている。近年はインバウンド消費の拡大を背景に旅行収支の黒字基調が定着しており、2024年度は過去最大の6兆5988億円の黒字、2025年度も6兆5745億円と高水準を保っている。

足元の減少には、中国政府が続ける渡航自粛要請に加え、中東情勢の悪化が重なっている。日本政府観光局によると、4月の訪日客数は369万2200人で前年同月比5.5%減となり、中国客がおおむね半減したほか、イタリアは34.2%減、スペインは21.6%減、中東地域からの客も21.4%減っている。

航空コスト上昇が今後の懸念材料

中東発着便の運休は、日本に向かう欧州路線の乗り継ぎにも影響している。中東は欧州から日本へ向かう航空路線の主要経由地であり、同地域の混乱が欧州や中東からの訪日需要を押し下げている。

今後の不安材料としては、中東混乱に伴う航空燃料価格の上昇がある。各国の航空会社は燃油特別付加運賃、燃油サーチャージを引き上げており、航空コストの増大は訪日客の渡航判断や日本国内での消費に影響を及ぼす可能性がある。

SOMPOインスティチュート・プラスの小池理人上級研究員は、1人あたりの消費額が大きい遠距離からの訪日客が減ることで、旅行収支全体の黒字幅も縮小しやすくなるとみている。遠距離市場の鈍化が続けば、インバウンド消費が支えてきた日本のサービス収支にも影響が広がる可能性がある。

当サイトの以前の記事では、ANAとJALが中東情勢を背景とした燃料価格上昇を受け、7月・8月発券分の国際線で燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を引き上げる見通しを取り上げました。北米・欧州線を中心に過去最高水準に達する可能性があり、夏の旅行需要や航空会社の収益運営、需要動向の双方に重圧となり得る点を整理しています。

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