財務省、相続土地の評価額引き下げで処分促進へ
相続人から国庫に帰属した土地の売却停滞を受け、財務省は価格設定や売却手法の見直しに踏み切る方針を示している。買い手が付きにくい宅地や農用地の維持管理コストが重荷となるなか、2023年に始まった相続土地国庫帰属制度の運用効率を高める狙いがある。
ハイライト
- 財務省は相続土地の評価額を最大9割引き下げ、一部土地の価格を最大93%まで段階的に減額する方針を示した。
- 今後は一般競争入札だけでなく随意契約や現状有姿売買も導入し、売却期間短縮やコスト軽減を目指す。
- 評価額引き下げと売却手続き柔軟化により、国庫帰属制度の効率化および国有財産管理の負担軽減が期待される。
評価額見直しと売却制度の変更
日本経済新聞によると、財務省は6月17日に開いた財政制度等審議会の分科会で、国が相続人から引き取った「相続土地」の評価額を最大9割引き下げる方針を示している。参加した委員からは、制度見直しを支持する意見が出ている。
同日に開いた国有財産分科会では、買い手が付かない土地について、まず価格を3割引き下げられる案を示している。需要が乏しい場合は3カ月ごとに1割ずつ減額し、最大で93%まで引き下げる仕組みを想定している。
これまでは一般競争入札で売却を進めてきたが、実績はゼロだった。このため今後は随意契約も可能にし、測量や地下埋設物の調査を省いた「現状有姿売買」も取り入れて、処分までの期間短縮とコスト軽減を目指す。
制度運営の効率化と不動産市場への影響
見直しの背景には、相続人が引き継ぎを望まず国が引き取った宅地や農用地のなかに、市場で流動化しにくい土地が多い実情がある。売れ残りが続けば、国にとって維持管理負担が積み上がるため、価格と売却手法の柔軟化が運営改善の焦点となっている。一連の取り組みは、所有者不明土地の解消を目的に2023年に始まった相続土地国庫帰属制度を効率化する位置づけとなる。値付けの引き下げや契約手続きの簡素化が進めば、地方を含む低需要エリアの土地処分が進みやすくなり、国有財産管理の負担軽減にもつながる可能性がある。
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