YKK、公取委が下請法違反で勧告、ファスナー加工単価の買いたたき認定
ファスナー事業を手がけるYKKに対し、公正取引委員会は下請け事業者への発注単価の設定が下請法違反に当たるとして23日に勧告した。対象は2023年7月から2025年11月にかけた加工・検品業務で、21事業者に対する49種類の作業単価が本来の価格水準を9%から72%下回っていたとされる。
ハイライト
- 公取委はYKKが21事業者のファスナー加工単価を買いたたき、下請法違反で勧告したと認定した。
- 49種類の作業単価のうち4割以上が富山県の最低賃金を下回り、YKKは総額約2600万円を遡及支払いした。
- 今回の勧告で再発防止策と社内調査が求められ、サプライチェーン全体の取引適正化圧力が高まっている。
勧告内容と単価設定の経緯
日本経済新聞が報じたところによると、公取委はYKKが一部の委託先から値上げ要請を受けた際、発注単価の算定式に用いる1時間当たりの作業回数を調整し、上げ幅を自社の許容範囲に収めていたと認定した。公取委は、この手法が発注側が通常の対価より著しく低い額を一方的に定める「買いたたき」に当たると判断している。問題となったのは、ファスナーの加工や検品を担う21事業者向けの取引だ。49種類の作業で、事前説明より低い単価が設定され、価格改定後も4割以上の作業単価が委託先の多くが所在する富山県内の最低賃金を下回っていたという。
YKKは過去にさかのぼって発注単価を引き上げ、既払い分との差額として21事業者に計約2600万円を支払った。今回の勧告では、再発防止に加え、同種業務で同様の買いたたきがなかったか社内調査するよう求めている。
地域の取引慣行と監督強化への影響
公取委の調査に対し、委託先からは、以前より品質基準が高まり、慎重な作業が必要になったことで処理可能な回数が減っているにもかかわらず、値上げ要請に十分応じてもらえなかったとの声が出ていた。品質要求の高度化と単価設定の乖離が、地域の受託事業者の採算に影響していた構図がうかがえる。YKKグループを巡っては、公取委が2026年3月に子会社のYKK APなど3社にも同法違反で再発防止を勧告している。金型などを無償で保管させた行為が確認されており、発注企業による取引条件の適正化が製造業のサプライチェーン全体で一段と問われている。
当サイトの以前の記事では、公取委が河合楽器製作所の音楽教室事業で、体験レッスン講師の報酬を低水準に据え置いた点を「買いたたき」としてフリーランス保護法違反と認定し、返金と再発防止を勧告したことを取り上げました。あわせて取引条件の未提示や報酬支払い遅延も違反とされ、報酬設定と契約管理に対する監督が強まっている状況を整理しています。
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