阪和興業、インドネシアのニッケル材事業に参画へ、非中国系のEV電池供給網を拡充
EV電池向け資源の調達多様化が課題となるなか、阪和興業はインドネシアでニッケル材料の製造事業に参画すると24日に発表した。韓国企業などと連携し、中国と関わらない供給網を構築して、電池材料事業の複線化を進める。
ハイライト
- 阪和興業はインドネシア・モロワリ県で総事業費約9億7000万ドル、年産能力約4万トン規模のMHP製造事業に2027年から参画予定。
- 共同参画にはNickel IndustriesやLS MnMが含まれ、阪和興業の出資額は非公表だが少額出資にとどまる。
- 今回の非中国系サプライチェーン確保で、阪和興業は電池材料調達の安定性向上と供給網複線化を推進する。
モロワリでMHP生産を開始
日本経済新聞によると、阪和興業はインドネシア中部モロワリ県の工業団地で、ニッケルとコバルトの混合水酸化物であるMHPの製造事業に加わる。2027年に生産を始める計画で、総事業費は約9億7000万ドル、純ニッケル重量換算の年産能力は約4万トンを見込む。共同参画企業には、オーストラリアの鉱山開発会社Nickel Industriesや韓国の非鉄企業LS MnMが含まれる。阪和興業は出資額を公表していないが、少額出資にとどまるとしている。
MHPは低品位のニッケル鉱石から高純度のニッケルを効率的に抽出する製錬技術で生産する。ニッケルはEV向けリチウムイオン電池の正極材に使われており、低コスト化が進めば電池価格の引き下げにもつながる可能性がある。
対中依存を抑える調達戦略
ニッケル材料分野では近年、中国系企業の存在感が高まっている。今回の事業は、そうした市場構造のなかで非中国系の供給網を確保する動きとして位置づけられる。阪和興業はすでにインドネシアで中国系企業が主導する別のMHP製造事業にも参画している。新たな案件を加えることで、同社はニッケル材料の供給網を複線化し、電池材料調達の安定性向上を図る。
当社の以前の記事では、中国がレアアース関連品やデュアルユース品目の輸出管理を強化するなかで、邦人拘束が表面化し、日中間で物流・通関・調達に伴う法務・コンプライアンス対応の重要性が高まっている点を整理しました。重要素材へのアクセスが制約されることで、企業のサプライチェーンに不確実性が広がり、生産継続やコスト面のリスクが意識される状況を伝えています。
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