日本の割安株投信、東証改革追い風に選別力が重要に
東証改革を背景に、日本の割安株で運用する投資信託への関心が高まっています。代表的な指数が乏しい分野だけにアクティブ型が主な選択肢となっており、バリュートラップを避ける運用力とコストの見極めが成績を左右します。
ハイライト
- 2021年以降、日本のバリュー株指数がグロース株指数を継続的に上回り、23年以降の東証改革が企業の株主重視姿勢を強化。
- One割安日本株ファンドなどファンダメンタルズ改善型は独自調査や企業対話を重視し、バリュートラップ回避へ銘柄選別力を発揮。
- 割安株投信は信託報酬1%程度に抑えたアクティブ型が主流となり、東証改革進展で選別力の重要性がさらに高まる見通し。
割安株投信の選び方と運用手法
Nikkeiマネーの2026年8月号を再構成した内容として、モーニングスター・ジャパンのマネジャー・リサーチ部長、元利大輔氏は、2021年以降に日本のバリュー株指数がグロース株指数を継続的に上回る局面が続いていると説明しています。23年以降の東証改革を受けて、自社株買いや増配、持ち合い株の解消に動く企業が相次ぎ、株主との対話姿勢にも変化が広がっています。割安株投信は大きく3つの型に分かれます。PBRやPERなどの指標で割安銘柄を選ぶ「指標ベース型」、収益力改善や将来のROE向上まで見込む「ファンダメンタルズ改善型」、配当利回りや増配余地を重視する「高配当株型」です。
割安株投資は相場下落時の値下がりリスクを抑えやすい半面、株価が長く見直されないバリュートラップが課題になります。このため、単なる数値上の割安さではなく、企業価値がどのように顕在化し株価に反映されるかを見極める分析力が、投信選びで重要になります。
評価されるファンドと市場への含意
元利氏が運用の質とコストの両面から評価する例として挙げるのが、ファンダメンタルズ改善型のOne割安日本株ファンド(年1回決算型)です。PBRや配当利回りなどで抽出した企業から、独自調査で割安解消のきっかけがあるかを見極めて投資先を絞り込み、投資先企業との建設的な対話も進めています。高配当株型では、ニュー配当利回り株オープンが紹介されています。このファンドは単に予想配当利回りの高さを追うのではなく、企業の配当方針や事業モデルの競争力を分析し、配当の安定性と増配の可能性を重視しています。より低コストの選択肢としては、同様の運用を行うETFのSMT ETF日本好配当株アクティブも挙がっています。
これらのファンドに共通するのは、独自の評価基準を一貫して運用プロセスに組み込み、相場の流れに左右されにくい姿勢を保っている点です。信託報酬が1%程度とアクティブ型としては抑えられており、東証改革がさらに進む局面では、銘柄の選別力を持つ割安株投信の重要性が一段と高まる可能性があります。
当サイトの以前の記事では、日本企業の株主総会で経営陣への評価が厳格化し、成長戦略やガバナンスの実効性がこれまで以上に問われている点を整理しました。機関投資家のROE基準引き上げや社外取締役の独立性への要求強化など、市場規律の高まりが議決結果に反映されやすくなっています。
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