自民・維新の医療改革案、負担抑制目標なお具体策不足

自民・維新の医療改革案、負担抑制目標なお具体策不足
医療改革案、具体策不足

自民党と日本維新の会がまとめた社会保障制度改革の骨子は、現役世代の社会保険料負担の抑制を掲げながら、医療分野の踏み込んだ見直しを十分に示していない。政府が7月中旬にも決める骨太の方針への反映が見込まれる一方、高齢者医療の自己負担や給付の見直しでは結論の先送りが目立っている。

ハイライト

  • 自民・維新の医療改革骨子は2025年10月連立合意書13項目の具体化を目指すが、個別施策の具体策は乏しいままとなった。
  • 70歳以上の医療窓口負担割合の原則3割引き上げについては見送り、公平な応能負担の見直し表現にとどまった。
  • 社会保障負担率を2025年度比で上昇させない目標を掲げる一方、外来特例の廃止など個別判断は年末以降へ先送りされた。

骨子に残る医療改革の曖昧さ

日本経済新聞の社説では、2025年10月の連立合意書に盛り込まれた13の社会保障改革項目の具体化を目指す今回の骨子について、総論に比べて各論の具体性が乏しいと指摘している。特に焦点となったのは、高齢化で膨らむ医療給付をどう抑えるかという点だ。

日本維新の会は、70歳以上の窓口負担割合を将来的に原則3割とする方針の明記を求めたが、自民党は反対した。最終的な文言は、年齢によらない公平な応能負担の実現に向けて見直すという表現にとどまり、3割負担への引き上げは明記されていない。

また、外来診療を受ける高齢者の自己負担に月額上限を設ける外来特例の扱いも、廃止ではなく在り方を総合的に検討するとされた。骨子は、27年度の社会保障負担率が25年度と比べて上昇しないよう取り組むとする一方、個別施策では年末以降に判断を持ち越す内容が目立つ。

制度持続へ求められる負担見直し

医療費は高齢者の増加と医療技術の進歩を背景に膨らみ続けており、制度の持続性確保には給付と負担の両面で改革が急がれている。現在は69歳までの現役世代が原則3割負担であるのに対し、70歳から74歳は2割、75歳以上は1割が原則で、70歳以上で3割負担となるのは現役並み所得がある一部に限られている。

社説は、高齢者の窓口負担を原則3割としたうえで、所得や資産を総合的に見て負担能力の小さい人には、高額療養費制度や外来特例を通じて月額ベースの負担を抑える仕組みに移るべきだと論じている。専業主婦らが対象となる第3号被保険者制度の改革も含め、社会保障全体の見直しには政治の主導力が欠かせないとの見方を示している。

当サイトの以前の記事では、社会保障改革を巡る与野党協議の中で、70歳以上の医療費の窓口負担見直しが年内の主要論点として浮上していることをお伝えしました。自民党と日本維新の会は、外来特例や所得基準、年齢区分の見直しを含む検討を進め、2026年末までに工程表策定と一定の結論を目指す一方、「原則3割」の明記は見送られています。

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