Ispace、SpaceXの月面輸送連携で搭載枠販売を拡大

Ispace、SpaceXの月面輸送連携で搭載枠販売を拡大
月面輸送サービス拡大

月面輸送の商業化が進むなか、ispaceはSpaceXの大型月面着陸船事業と連携し、輸送サービスの事業領域を広げる。確保した500キログラム分の搭載枠販売に加え、着陸後の貨物移動を担う新型車両の開発も進め、新たな収益源の育成を狙う。

ハイライト

  • ispaceはSpaceXのスターシップ搭載枠500キログラム分を確保し、国内外事業者向け販売を開始する方針を発表。
  • 最大200キログラムの自社着陸船『ウルトラ』に加え、2.5倍規模のスターシップ枠で輸送手段やカスタマイズ提案を拡大。
  • 2027年3月期は130億円の赤字見通しだが、搭載枠販売事業と政府補助金で収益源多角化と開発継続を図る。

大型月面輸送への参入計画

日本経済新聞によると、ispaceは7月8日、SpaceXが開発する大型ロケット「スターシップ」の搭載枠500キログラム分を確保し、国内外の事業者向けに販売する方針を示した。最短で2030年の月面着陸を目指すスターシップは100トン級の輸送能力を持ち、ispaceにとっては従来の自社着陸船より大きい貨物需要を取り込む足がかりになる。

同社はあわせて、月面着陸後の輸送を担う新型車両「モバイル・カーゴ・システム」を開発すると発表した。発電機や通信、観測機器など月面に届いた貨物を近隣のインフラ施設へ運ぶ用途を想定し、既存の開発車両を基盤に実用化を進める。

袴田武史CEOは記者会見で、大型貨物の輸送にとどまらず市場拡大の起爆剤になるとの見方を示した。連携により、ispaceは月面着陸プロジェクトの設計から月面上での移動までを含む事業モデルの構築を目指す。

開発負担と収益基盤の強化

ispaceはこれまで小型の月面着陸船を開発し、2022年と2025年にいずれもSpaceXの「ファルコン9」で打ち上げている。ただ、その後の月面着陸はいずれも失敗しており、2026年3月には日米で進めていた開発体制を見直して、共通機体「ウルトラ」に統合した。

ウルトラの最大輸送能力は200キログラムで、今回確保したスターシップの搭載枠はその2.5倍の規模に当たる。今後は自社開発の着陸船とSpaceXの大型輸送の両方を提案し、低価格輸送と顧客要望に応じたカスタマイズを使い分けて受注拡大を狙う。

月面着陸船の開発には多額の資金が必要で、ispaceの2027年3月期の連結最終損益は130億円の赤字となる見通しだ。政府補助金を活用する一方で、搭載枠の販売事業を新たに加えることで、自社開発を続けながら収益源の多角化を進める構えだ。

JR北海道の赤字ローカル線対策について当サイトで以前取り上げ、黄線区8路線が2026年3月期に155億円の営業赤字となる見通しや、運賃引き上げ後も採算改善が限定的な点を整理しました。あわせて、自治体負担が論点となる上下分離方式など抜本策は具体化が進まず、国土交通省が改善策の取りまとめを求めている状況も伝えています。

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