Ciaran Ryan

日本政府、安保3文書改定へ, ドローンやサイバー対応を再点検

日本政府、安保3文書改定へ, ドローンやサイバー対応を再点検
安保戦略を全面再点検

政府は2026年末に国家安全保障戦略を含む安保関連3文書の改定を予定し、防衛態勢の前提を見直します。ドローンやAIの軍事利用、中国を巡る緊張、サイバー攻撃の拡大が重なり、日本の防衛政策は装備、予算、運用の各面で再設計を迫られています。

ハイライト

  • 日本政府は年末に安全保障3文書を改定し、無人機やAIの普及に対応して装備と運用の再構築を進める方針。
  • 防衛費増額と同盟国への役割拡大が主要論点となり、財政規律や市場の信認維持が政府の課題として浮上。
  • サイバー攻撃や認知戦への対応強化が政策判断に直結し、長射程兵器や官民インフラ保護への投資も注目されている。

改定論点は装備と運用の再構築

Nikkeiによると、今回の見直しでは、戦場で急速に存在感を高める無人機やAIが、従来の安全保障戦略を4年で再考させる要因になっています。7月20日に英国南部ファンボローで開かれた国際航空ショーでは、小泉進次郎防衛相が日英伊で共同開発するGCAPのレプリカに搭乗し、次世代戦闘機開発が日本の防衛産業と抑止力の両面で重要テーマになっていることを示しました。

弾薬を大量消費しない戦い方の模索も焦点です。米戦略国際問題研究所、CSISの分析では、U.S.軍の弾薬がイラン攻撃で3分の1に減少したとされ、強大な軍でも継戦能力の確保が課題になる現実が浮かんでいます。日本でも反撃能力の整備が進み、陸上自衛隊は6月に東富士演習場で長射程ミサイル「25式高速滑空弾」の発射機を示し、離島防衛を視野に入れた運用強化を進めています。

防衛費を巡っては、同盟国への役割拡大を求めるU.S.の姿勢が圧力として働いています。政府は7月に決定した骨太の方針で、NATOや韓国、オーストラリアの国防費増額目標に触れており、財政規律と市場の信認を保ちながら、どこまで防衛支出を引き上げるかが改定作業の主要論点になります。

サイバーと地域抑止が政策判断に直結

安全保障の重心は物理空間だけでなく、ネット空間にも広がっています。米政府は7月末、上下水道システムの制御装置を狙うサイバー攻撃が急増していると警告し、ミネソタ州など複数の州が標的になったとみられています。重要インフラへの攻撃や偽情報の拡散は、軍事衝突に至らない段階から社会機能を揺さぶる認知戦として位置づけられ、日本の備えにも直結します。

こうした環境変化は、日本の安全保障政策を装備調達の問題にとどめず、産業基盤、技術開発、情報防護、日米同盟の役割分担まで含む経済安全保障上の課題へ広げています。年末の3文書改定では、中国を念頭に置いた抑止力の再整理に加え、長射程兵器、弾薬備蓄、サイバー防衛、官民インフラ保護をどう一体で進めるかが、政策と市場の双方で注目点になります。

当サイトの以前の記事では、8月下旬に注目された論点として、戦場データの活用や軍事AIパートナーシップなど、安全保障領域でAIが存在感を増している点を整理しました。あわせて、データポイズニングやデータセンター攻撃といった新たなリスクも示され、技術の進展が抑止力と脆弱性の両面を押し広げる構図が浮き彫りになっています。

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