日本、法人の実質的支配者届出を義務化へ, マネロン対策と安保審査を強化

日本、法人の実質的支配者届出を義務化へ, マネロン対策と安保審査を強化
法人支配者届出義務化

日本政府は23日、国内の全法人に実質的支配者の情報届出を義務付ける新法案を閣議決定し、マネーロンダリング対策の制度整備を本格化する。対象は非上場企業やNPOなど約450万法人に広がり、2028年夏までの運用開始を想定している。

ハイライト

  • 日本政府は総議決権の25%超を保有する実質的支配者情報の届出を未上場法人等約450万社に義務付け、12月12日までの法案成立を目指す。
  • 届出義務違反や虚偽登録には6カ月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、未履行から3年で登記閉鎖の行政措置を導入予定。
  • FATF対日審査や経済安全保障法改正を背景に、BO情報はマネロン対策や外国勢力による重要不動産取得監視へ活用される見込み。

法案の対象範囲と導入日程

Nikkeiによると、法案は総議決権の25%超を直接または間接的に保有する実質的支配者、Beneficial Owner(BO)の把握を法人に義務付ける内容だ。設立時や内容変更時に、氏名、住所、生年月日、国籍を法務局へ届け出る仕組みとし、今国会で12月12日までの成立をめざす。

対象は国内の非上場会社やNPOなど約450万法人で、国内で継続的に取引し、事務所や不動産を持つ一部の外国法人も含む。上場企業は既に株主情報を開示しているため、制度の中心は未上場法人の透明性向上となる。

期限内に届け出をしない場合や虚偽情報を登録した場合には、6カ月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金を科す。政府は未届け法人に書面で登録を督促し、それでも期限から3年が経過すれば登記を閉鎖する方針だ。

BO情報の閲覧は、行政機関が法令に基づく事務に必要な場合のほか、金融機関や法人の同意を得た弁護士、不動産業者らがマネロン対策やテロ資金供与防止のために利用する場合に限る。不正確な情報を見つけた閲覧者には、法務省への通知義務も課す。

金融取引と経済安全保障への波及

法務省は2022年からBO情報を任意で登録できる制度を設けていたが、義務ではなかったため利用は低迷していた。新法は休眠法人など実体の乏しい法人の悪用を抑え、不正資金の移転防止や匿名・流動型犯罪グループの実態解明に活用する狙いがある。

制度整備を急ぐ背景には、金融活動作業部会、FATFが2028年夏に予定する対日審査がある。FATFは2022年に、全ての法人のBO情報把握と公的機関への届出を義務付ける法整備を各国に勧告しており、G7で制度が未整備なのは日本だけとなっている。

政府は同日、安全保障上重要な土地・建物の取得を許可制とする重要土地等調査法の改正案も閣議決定した。BO情報は不動産を取得する法人の背後関係の把握にも使い、外国勢力の影響下にある法人による土地取得の審査や監視に生かす方針だ。

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