三井化学、エチレン設備の稼働率引き上げへ、7〜8月は約8割を計画

三井化学、エチレン設備の稼働率引き上げへ、7〜8月は約8割を計画
三井化学、稼働率回復へ

中東情勢を背景とするナフサ調達難で減産が続くなか、三井化学はエチレン設備の稼働率を夏場に引き上げる方針を示した。3月以降の減産で低下した中間材料の在庫水準を適正化しつつ、9月以降の運転は原料供給と需要を見極めて判断する。

ハイライト

  • 三井化学は7〜8月にエチレン生産設備の稼働率を約8割へ引き上げ、足元の7割未満から改善を図る。
  • 千葉県設備を中心に稼働を増強し、大阪府設備は6月中旬から約2カ月間定期修理、地域ごとに供給体制を調整。
  • 樹脂等の中間材料在庫が低下しており、ナフサ調達次第で在庫正常化と供給網安定化を同時に目指す。

夏場の稼働計画と設備運営

日本経済新聞が27日に報じたところによると、三井化学の市村聡社長は同日の経営概況説明会で、エチレン生産設備の稼働率を7月と8月に約8割まで引き上げると明らかにした。足元の稼働率はナフサ不足の影響で7割を下回っており、減産で目減りした在庫の立て直しも今回の判断につながっている。

同社は千葉県と大阪府でそれぞれ1基のエチレン設備を運営しており、夏場は千葉県の設備を中心に稼働率を高める。大阪府の設備は6月中旬から約2カ月間の定期修理に入る予定で、供給体制は地域ごとの設備運営を踏まえて調整する。

市村社長は、原料価格や供給量、顧客需要を見ながら慎重に稼働を引き上げる考えを示している。9月以降の稼働水準については、需要動向を確認しながら検討を続ける。

在庫正常化と石化供給への影響

エチレン設備は、ナフサを熱分解して基礎化学品を生産する石油化学コンビナートの中核設備だ。そこからポリエチレンなどの樹脂や中間材料が生産され、家電、自動車部品、食品包装材など幅広い製品に使われている。

三井化学は3月以降、両設備で減産を続ける一方、樹脂など中間材料の在庫を活用して出荷を維持してきた。吉田修CFOは、安定供給のために在庫水準が低下していると説明し、ナフサを調達できれば在庫の適正化を進められるとの見方を示した。

今回の稼働引き上げは、供給網の安定化と在庫正常化を両立させる対応といえる。ただ、原料調達環境や需要の変動が続けば、秋以降の運転計画はなお機動的な見直しが必要になりそうだ。

当サイトの以前の記事では、ナフサ由来製品の価格高騰と供給不透明感が続くなか、農林水産省と経済産業省が食品包装・容器を巡る官民の情報交換会を立ち上げ、業界の課題や要望を聞き取る動きをまとめました。包装素材やデザインの見直しが食品・小売りの現場に広がり、調達難が物流や経営面にも波及している点が焦点でした。官民の情報共有が進むことで、資材調達の見通し改善や現場の混乱緩和につながる可能性も示しています。

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