国内の金融グループで富裕層の囲い込み競争が強まるなか、三井住友フィナンシャルグループは銀行、証券、信託を一体運営する新サービスを始める。新ブランド「SMBC Wealth」を軸に商品ラインアップと対面拠点を広げ、2029年3月までに投信や外貨預金などの残高を28兆円へ引き上げる目標を掲げる。
ハイライト
- 三井住友フィナンシャルグループは新ブランド「SMBC Wealth」を立ち上げ、銀行・証券・信託が連携し富裕層事業を一体展開。
- 三井住友銀行が扱う投資信託は約860銘柄(従来比3.7倍)、債券は約200銘柄(4倍)に拡充し、株式仲介や海外ファンドにも対応予定。
- グループ全体で投信や外貨預金などの残高を2029年3月までに28兆円へ3年で2割増目標、他メガバンクも富裕層市場参入を加速。
新ブランドの展開内容
日本経済新聞によると、三井住友フィナンシャルグループは22日、富裕層の資産運用や事業承継を支援する新ブランド「SMBC Wealth」を立ち上げ、傘下の三井住友銀行、SMBC日興証券、SMBC信託銀行が連携する体制を整える。グループ内にはSMBCウェルス推進部を設置し、銀行窓口で扱う商品の拡充を進める。三井住友銀行が販売するSMBC日興証券の商品は大幅に増え、投資信託は約860銘柄と従来の3.7倍、債券は約200銘柄と4倍になる。将来的には株式や外国法で規制する海外投信も扱う方針で、銀行が株式売買を仲介するのは珍しい取り組みとなる。
上村明生リテール事業部門長は22日の記者会見で、銀行チャネルでSMBC日興証券と同水準の商品提供を可能にする点が重要だと説明し、資産運用機能はSMBC日興証券に集約して強化していく考えを示した。26日には東京・吉祥寺に3社のサービスを一体で提供する店舗を新設し、預金や証券を含む金融資産全体を踏まえた資産管理の助言を始める。
富裕層ビジネスの競争激化
三井住友FGは、顧客ニーズを分析しながら富裕層の多い地域を中心に同様の店舗展開を広げる。あわせて、SMBC信託銀行の17通貨の外貨預金に対応したキャッシュカードを銀行で案内し、AI活用型のコールセンターをグループ各社に導入することも検討する。グループ全体では、投信や外貨預金などの残高を2029年3月に28兆円とし、3年で2割増やす目標を掲げる。収益源の多様化を進めるうえで、預金だけでなく運用、承継、外貨関連サービスまで含めた総合提案力が問われる。
三菱UFJFGやみずほFGも富裕層向け事業を強化している。三菱UFJFGは2027年3月に会員サービス「エムットエクセレントクラブ」を始める予定で、みずほFGは証券や信託の機能を銀行顧客に提供しており、2026年4〜9月期には銀行と証券が連携して対応する顧客の外国株売買高が前年同期比2倍に増えたという。
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