自民党参院、改憲議連発足で政権運営への影響力拡大
自民党参院は22日、憲法改正の実現を後押しする議員連盟を立ち上げ、少数与党下で高市早苗首相の政権運営に対する発言力を強めている。2027年春までの改正発議を掲げる首相にとって、参院側の結束確保は改憲論議にとどまらず予算案や重要法案の審議でも重要な条件になっている。
ハイライト
- 自民党参院改憲議連が22日に設立され90人超が入会、憲法改正審議の加速と党本部の改正運動後押しを目指す。
- 参院自民党では独自グループも形成され、101人中40人超が参加、2025年10月政権発足後で初の正式グループに。
- 参院自民党内で国民民主党との協力重視が拡大し、少数与党下では参院動向が法案成立や政権運営の鍵となる。
改憲議連の発足と参院内の温度差
日経が報じたところによると、議連は22日に国会内で設立総会を開き、90人超が入会し、代理出席を含めて84人が参加した。呼びかけ人には松山政司議員会長、石井準一幹事長、山本順三政策審議会長の参院執行部のほか、有村治子党総務会長や中曽根弘文党憲法改正実現本部長が加わった。
会長に選ばれた中曽根氏は、憲法審査会の審議をさらに促進し、党本部全体の改正運動を参院から後押しして実現につなげることが主な活動だと説明した。高市首相の代理として出席した麻生太郎副総裁も、議連と連携して改憲実現を目指す考えを示した。
もっとも、自民党は衆院では発議要件の3分の2の議席を持つ一方、参院では過半数に届かない。参院では与党に加え、国民民主党、参政党、日本保守党などの協力が焦点になるが、その前提として自民党内の足並みをそろえられるかが問われる。
実際に衆参では改憲項目の優先順位に隔たりがある。参院は15日の今国会初の憲法審査会で「1票の格差」を取り上げ、合区解消を重視する声が根強いのに対し、衆院側は憲法9条改正や緊急事態条項の追加を中心に議論している。緊急事態条項を巡っても、参院では憲法54条に基づく既存の役割で対応可能だとして、権限縮小への警戒感が目立っている。
少数与党下の国会運営と首相の課題
参院では議連に加え、独自グループをつくる動きも進んでいる。石井氏は15日にグループ結成を表明し、自民党所属101人のうち40人超が参加すると説明しており、高市政権が2025年10月に発足してから参院で正式なグループができるのは初めてとなる。こうした動きは、参院議員が独自に行動しやすい環境を広げる可能性がある。2028年夏の参院選まで2年以上あるなか、後半国会では国家情報局創設法案、国旗損壊罪の創設、旧姓の通称使用拡大に関する法案など、世論を二分しやすい案件が相次ぐ見通しで、首相は野党の一部だけでなく参院自民党への配慮も迫られている。
参院自民党内では国民民主党との協力を求める声が相次いでいる。背景には2026年度予算を巡り、衆院で野党の同意を得ないまま審議時間を短縮したことへの反発から、協力を期待していた国民民主党が衆参両院で反対に回った経緯がある。
歴代の長期政権では、参院自民党が野党との調整役として政権を支えてきた。参院の会長や幹事長などの人事には首相の人事権が及ばず、少数与党では参院側の動向が法案成立の行方を左右しやすい。高市首相は参院との太いパイプを持つとの見方が乏しく、旧派閥の力学も残るなかで、円滑な政権運営には新たなグループを含む参院自民党の支援が欠かせない状況にある。
自民党推薦・支持候補が直近の市長選で相次いで敗れ、内閣支持率の高さが地方票に結びついていない実態を、当サイトの先の記事で整理しました。国政と地方で争点が異なるなか、候補者擁立や訴求の見直しが迫られており、2027年の統一地方選を見据えた党運営の課題が浮き彫りになっています。
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