企業のAI導入競争が強まるなか、NECはDX支援事業の成長目標を引き上げ、2030年度に売上収益1兆3000億円を目指す方針を示した。法人向けAI需要の取り込みに加え、自社の開発現場でもAI活用を広げ、収益性改善とサービス競争力の底上げを狙う。
ハイライト
- NECはDX支援サービス「BluStellar」の2030年度売上収益目標を1兆3000億円、調整後営業利益率25%に引き上げた。
- NECはU.S.新興企業Anthropicと提携し、金融・製造・サイバーセキュリティー分野でAIエージェント共同開発や法人向けサービス展開を強化する。
- 今後3年で3万人エンジニアのAI主導開発体制を確立し、Anthropic「Mytos」モデルやツールを活用して省人化とセキュリティ強化を推進する。
ブルーステラ戦略と提携の具体像
日本経済新聞によると、NECは4月24日に川崎市の玉川事業場でDX支援サービス「BluStellar」の戦略説明会を開き、2030年度までに同サービスの売上収益1兆3000億円、調整後営業利益率25%を目標に掲げた。5月からは100種類以上のAI関連機能をまとめた基盤の提供も始める。
NECは2024年にDX支援サービスをBluStellarに一本化し、中長期で売上収益1兆円を目標としていた。吉崎敏文副社長は、コンサルティングやサービス開発を含む全領域にAIが入っていくことが、新目標を設定した背景だと説明している。
成長戦略の中核となるのが、U.S.新興企業Anthropicとの戦略提携だ。Anthropicのポール・スミス最高事業責任者はビデオメッセージで、金融、製造、サイバーセキュリティー分野でAIエージェント開発を共同で進める方針を示した。NECは自社が強みを持つシステム監視やデータ基盤運用にAnthropicの技術を組み合わせ、信頼性や機密性を重視した法人向けAIサービスとして展開する。
社内AI転換と国内IT市場への波及
NECは外販だけでなく、自社の開発体制の変革も進める。今後3年ほどでシステム開発の現場をAI主導型に組み替え、約3万人のエンジニアがコード生成ツールなどを日常的に使う体制を目指す。Anthropicはツール提供や人材育成でも支援する。Anthropicの新型AIモデル「Mytos」は脆弱性検知に強みを持つとされ、システム監視などの省人化を後押しする可能性がある。吉崎副社長は、新たな技術の活用は協業の範囲に含まれ、セキュリティー領域も対象になると述べている。
国内IT大手では、NTTデータがOpenAI、富士通がNVIDIAと組むなど、U.S.テクノロジー企業との連携が広がっている。国産AIモデルは性能面でU.S.勢に後れを取る場面があり、日本企業にとっては先端モデルを活用しつつ、導入、保守、インフラ管理まで含めた総合サービスの付加価値を高められるかが競争力を左右する。
当社の以前の記事では、Nvidiaがサプライヤー関連の起訴を受けてグローバルなサプライチェーン監督とコンプライアンス監視を強化している点を取り上げました。中東情勢など地政学リスクが物流や規制面の不確実性を高める一方、株価は主要移動平均線を上回る強気基調を保ち、短期的には一定レンジでの推移が見込まれるとの見方でした。
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