ソフトバンク、AIデータセンター投資で地上建設を優先
ソフトバンクの定時株主総会では、人工知能向けインフラ投資の方向性が主要な論点になっている。親会社ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、宇宙空間での展開より先に地球上で圧倒的なデータセンター構築力を確立する考えを示している。
ハイライト
- ソフトバンクは株主総会でAIデータセンターの地上整備への投資を優先し、宇宙事業への直近参入を否定した。
- 孫正義氏はAIデータセンターの運営コストで電気代は約7%にとどまり、主要コストは半導体チップ等と説明した。
- 地上データセンター整備優先方針は日本の通信サービス業界や関連設備投資の中長期需要増加に寄与する可能性がある。
株主総会で示した投資方針
日経が報じた内容によると、23日に開いた総会で孫氏は、米SpaceXが取り組む宇宙データセンターに関する株主の質問に答え、宇宙での成果には十数年かかる一方、AIの競争は目の前の十数年で勝敗が決まるとの見方を示している。事業の優先順位としては、まず地上で大規模な整備能力を築く方針を打ち出している。孫氏は、SpaceX創業者のイーロン・マスク氏について、技術面でも突破力がある改革者だと評価している。そのうえで、AIデータセンターの運営コストでは電気代は全体の約7%にとどまり、半導体チップなどその他の費用が大半を占めると説明している。
また、宇宙建設では建設費や保守費、通信環境といった課題との見合いになるとの認識を示している。ソフトバンクの宮川潤一社長も、宇宙空間での事業にはなお技術的な課題があるとして、直近で参加することはないと述べている。
日本の整備需要と通信業界への波及
宮川氏は、世界と比べた日本のデータセンター建設の勢いは弱いとの認識を示し、AIを進めるうえで国内環境を整備する役割が同社にあると話している。今回の発言は、ソフトバンクグループがAI関連投資を進める中で、日本国内の計算基盤や通信インフラ整備を重視する姿勢を改めて示すものになっている。AIサービスの拡大では、計算能力の確保に加え、電力、半導体、通信回線、保守体制を含む総合的な基盤整備が収益性を左右する。地上のデータセンター整備を優先する方針は、日本の通信サービス業界や関連設備投資にとっても中長期の需要を押し上げる可能性がある。
株主総会が個人投資家にとって企業の実力や成長戦略を見極める重要な場になっている点を、当サイトの以前の記事で整理しました。総会での経営陣の説明や質疑応答の水準は、資本効率の改善や株主還元への姿勢を測る材料となり、長期保有の株主を惹きつけやすいことも指摘しています。
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