北海道新幹線延伸、費用便益比低下で採算懸念が強まる
北海道新幹線の新函館北斗, 札幌間延伸を巡り、建設費の膨張を受けて事業採算性への懸念が強まっている。財務省は費用便益比が整備新幹線の目安を大きく下回る水準に低下するとの試算を示し、貸付料算定やJR北海道の経営への影響が焦点となっている。
ハイライト
- 北海道新幹線新函館北斗-札幌間の費用便益比は建設費増で0.9から0.6に低下し、財務省は事業中止水準と評価した。
- 総建設費はトンネル工事の長期化等で約1兆2000億円増加し、3兆209億円となる見通し。
- 今後の便益試算次第でJR北海道の貸付料増加や地域鉄道会社の経営負担拡大が重要論点になっている。
財務省試算と採算評価の下振れ
日本経済新聞によると、財務省は23日の財政制度等審議会分科会で、北海道新幹線の新函館北斗, 札幌間延伸について、事業全体の費用対効果が「中止すべき水準にある」とする試算を示した。建設費の増加分に便益が追いつかないとして、事業の収益から適正な貸付料を算出することが適切だとしている。
単純試算では、事業全体の便益は1兆9014億円と前回再評価時の2023年3月から据え置いた。一方、トンネル工事の長期化などで建設費は約1兆2000億円増え、総費用は3兆209億円となる見通しだ。
この結果、便益を費用で割った費用便益比(B/C)は前回再評価時の0.9程度から0.6程度に低下するという。整備新幹線ではB/Cが1を超えることが採択判断の目安で、新規採択時の2012年6月には1.1程度と試算していた。
貸付料と地域鉄道経営への影響
分科会は、国土交通省の再評価基準に従えば、基本的にはプロジェクトを中止すべき水準に相当すると位置づけている。その一方で、物価上昇に伴う収益増や不動産収益、需要予測の見直しを踏まえた便益の上積みがあれば、B/Cが上振れする可能性にも言及した。北海道新幹線は、運行を鉄道事業者が担い、線路など設備の保有と維持を鉄道建設・運輸施設整備支援機構が担う上下分離方式を採用している。このため、今後のB/C評価次第ではJR北海道が支払う貸付料が増える可能性があり、地域鉄道会社の収益構造や中長期の経営負担にどう影響するかが重要な論点となっている。
当サイトの以前の記事では、日本の貿易赤字が続く背景として、対米輸出(特に自動車)の弱含みや関税環境の影響を整理しました。あわせて、中東情勢の緊張でホルムズ海峡を通じた原油輸送が混乱し得る点に触れ、日本政府が備蓄放出や代替ルート確保を進めるなど、エネルギー供給リスクが国内経済に波及する可能性を取り上げました。
最新の輸送ニュース
- Forex
- Crypto