JR東日本、27年3月期の純利益見通し3%増、運賃改定と不動産収益が下支え
鉄道需要の回復と非運輸事業の拡大を背景に、JR東日本は2027年3月期に増収増益を見込む。3月の運賃引き上げに加え、再開発案件の寄与で売上高は2期連続で過去最高を更新する見通しだが、利益計画は市場予想を下回る。
ハイライト
- JR東日本は2027年3月期連結純利益が前期比3%増の2550億円、売上高7%増の3兆2950億円と見込む。
- 営業利益は運賃7.1%引き上げと不動産収益増が押し上げ要因で約950億円と1030億円の増益効果を見込む。
- 保守費や人件費などコスト増が計1740億円の減益要因となるが、2032年売上高・営業益目標を上方修正。
業績見通しと収益押し上げ要因
日本経済新聞によると、JR東日本は4月30日、2027年3月期の連結純利益が前期比3%増の2550億円になる見通しだと発表した。売上高は7%増の3兆2950億円、営業利益は4%増の4290億円を見込み、年間配当は10円増の84円とする。
運輸収入の増加は営業利益を約950億円押し上げる要因となる。原動力は2026年3月に実施した平均7.1%の運賃引き上げで、全エリアを対象とする全面改定は、消費増税の影響を除くと1987年の旧国鉄民営化以降で初めてとなる。
不動産やホテルなど運輸以外の事業も収益拡大に寄与する見込みで、約1030億円の増益要因になる。港区高輪の「TAKANAWA GATEWAY CITY」の全面開業や、3月28日に開業した大井町エリアの再開発施設「OIMACHI TRACKS」などが収入を支える。
費用増と中期目標の引き上げ
一方で、コスト増は利益の重荷となる。鉄道設備の修繕費積み増しが約300億円の減益要因となるほか、2027年3月期は人件費の増加が約550億円、人件費を除く販管費の増加が約890億円の減益要因になる見通しで、会社は鉄道と不動産の増収効果で吸収するとしている。修繕費の積み増しには、1〜2月に管内で相次いだ設備不具合による停電などの輸送トラブルも影響している。これらのトラブルでは計100万人超に影響が出ており、コロナ禍で抑制していた保守関連支出の正常化が進む。
同社はあわせて、グループ経営ビジョンで示していた2032年3月期の財務目標を上方修正した。売上高目標は4兆3000億円、営業利益目標は7500億円とし、それぞれ3000億円、500億円引き上げており、鉄道利用が想定を上回っていることを織り込む。
同日発表した2026年3月期の連結決算は、純利益が前の期比11%増の2478億円だった。新幹線の法人利用の伸びに加え、訪日客需要も堅調で、鉄道事業が増収増益となった。
当社の以前の記事では、東京メトロが安全投資と利便性向上の原資を確保するため、2028年3月以降の運賃改定を検討していることを取り上げました。改定で得た増収分は安全対策やサービス向上に充てる方針で、鉄道各社で運賃見直しが進む流れの中で、首都圏の運賃政策にも影響し得る点を整理しています。
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