クアッドの首脳会合再開が経済安全保障の連携強化に課題

クアッドの首脳会合再開が経済安全保障の連携強化に課題
クアッド再開に課題

インドで開かれた日米豪印4カ国の外相会合では、インド太平洋での中国を念頭に重要鉱物やエネルギー分野の連携強化を確認した。もっとも、2024年を最後に途絶えている首脳会合の再開時期は決まらず、経済安全保障と地域戦略を支える枠組みの実効性が改めて問われている。

ハイライト

  • クアッド外相会合はレアアース供給網の協力強化を主要議題とし、中国の独占状態に対する警戒感を共同声明で示した。
  • 首脳会合は2024年を最後に開催されておらず、米印関係の悪化やトランプ大統領の多国間協議への消極姿勢が再開の障害となっている。
  • 米国の中東軍事費増による資源分散で、日米豪印の多層的なインド太平洋協力体制の再構築が日本の安全保障上の最重要課題となっている。

外相会合で確認した供給網協力

日本経済新聞によると、今回の外相会合では中国の名指しこそ避けたものの、東シナ海や南シナ海の情勢への懸念と「力による現状変更」への反対を共同声明で打ち出した。重要鉱物の供給網強化も主要議題となり、ハイテク製品に欠かせないレアアースの生産・精製を中国がほぼ独占する現状への警戒感がにじむ。

クアッドは2019年に初の外相会合を開き、2021年以降は首脳会合も定例化してきた。しかし、バイデン政権下の2024年を最後に首脳会合は開かれていない。昨年はインド開催が計画されたが、米印関係の冷え込みを受けて見送られ、今回も次回の開催時期は決まらなかった。

インド太平洋戦略への影響

首脳会合が止まった背景には、インドとパキスタンの国境紛争の停戦仲介を巡る主張の食い違いや、インドによるロシア産原油の輸入問題がある。トランプ大統領が多国間協議を好まないことも、再開が進まない一因とみられている。

米国はイランとの軍事衝突に巨額の費用と装備を振り向けており、インド太平洋で中国に対抗するには日米やU.S.-オーストラリアの2国間協力だけでは不十分との見方が強い。インドがBRICS外相会合も主催するなか、日本にとってはインドを民主主義陣営につなぎ留めつつ、「自由で開かれたインド太平洋」を支える多層的な協力体制の再構築が一段と重要になっている。

当社の以前の記事では、Nvidia(NVDA)の株価動向を手掛かりに、世界的なAIチップ需要に対して供給が追いつかない状況と、対中輸出規制が同社の事業見通しに与える影響を整理しました。高帯域幅メモリなど部材不足が続く中で、中国向け販売の制約が市場アクセスの不透明さを高め、短期的な株価の上値を抑え得る点を指摘しています。

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