高市政権、中傷動画問題の説明責任が政権運営リスクに

高市政権、中傷動画問題の説明責任が政権運営リスクに
中傷動画 政権揺らぐ

自民党総裁選や2月の衆院選を巡り、高市早苗首相の陣営が対立候補を中傷する動画の作成を依頼したとの報道を受け、国会で追及が続いている。事実関係が曖昧なままでは政治不信が深まり、SNS選挙運動のルール整備や政権の政策遂行にも影響しかねない。

ハイライト

  • 首相の秘書が生成AIを使い対立候補を中傷する動画作成を依頼した疑惑で、首相は依頼を否定し説明責任が注目されている。
  • 野党は動画作成に関与したとされる秘書の国会招致を要求し、自民党は拒否する中、SNS規制議論が与野党間で続いている。
  • 内閣支持率は初報から1カ月で若年層中心に下落傾向を示し、不十分な説明や対応が信頼低下と政権運営リスクを高めている。

中傷動画疑惑と国会対応

日本経済新聞の社説では、週刊文春や共同通信などが、動画作成を引き受けた人物の証言としてこの問題を報じていると指摘している。証言によると、首相の秘書から相談を受け、生成AIを使って対立候補を批判する動画を作成し、SNSに投稿したとされる一方、首相は自身や事務所による依頼を否定している。

野党は、動画作成者に相談したとされる秘書を国会に参考人として招致するよう求めているが、自民党は拒んでいる。与野党は選挙でのSNS規制を巡り、偽情報対策や生成AIの扱いを協議しており、こうした状況で中傷動画問題を放置できないとの論点が浮上している。

過去の総裁選では、小泉進次郎氏の陣営が小泉氏を称賛する書き込みを促したとして問題化したが、小泉氏は事実関係を認めて再発防止に努める考えを示し、事態は沈静化した。今回も仮に依頼が事実であれば、首相の倫理観や道義的責任が問われ、事実関係の明確化と必要な説明が求められる。

支持率と政権運営への波及

社説は、初報から1カ月がたち、内閣支持率がやや下がり気味だとしている。物価高の影響もあるとみられるが、とりわけ若い世代の支持率低下が目立つとし、ルール順守を重視する層にとって首相の対応が強弁と受け止められていないかを問題提起している。

説明不足や不適切なダメージコントロールが続けば、信頼の毀損が徐々に進み、政権運営の安定性を損なう可能性がある。国際情勢の先行きが読みにくく、経済運営でも柔軟な判断が求められる局面だけに、誤りがあれば認める姿勢が政治・行政両面の信認維持に直結する。

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