日本郵船、ホルムズ海峡の滞留船対応を継続、中東向け代替輸送で収益機会も

日本郵船、ホルムズ海峡の滞留船対応を継続、中東向け代替輸送で収益機会も
日本郵船の中東戦略

中東情勢の混迷が海運網に影響するなか、日本郵船はホルムズ海峡内に関係船舶がなお10隻程度残る状況への対応を続けている。自動車船では迂回航路と陸送を組み合わせて中東向け輸送を維持し、原油輸送でも調達先の分散に対応している。

ハイライト

  • 日本郵船はホルムズ海峡内に約10隻の関係船舶が滞留しているが、政府間協議と代替輸送ルート確保で中東向け輸送を継続している。
  • 航海距離が長くなることでエネルギー輸送の運賃収入増加や追加利益の機会が生じ、西アフリカ・ブラジルなどの代替調達ルートも活用中と説明。
  • 中東地域の混迷による業績影響は現時点で限定的で、2027年3月期の中東要因による減益幅は経常利益ベースで200億円弱を見込む。

株主総会で示した滞留船と代替輸送

日経が報じたところによると、日本郵船の曽我貴也社長は17日に東京都内で開いた株主総会で、ホルムズ海峡内に同社の関係船舶が10隻程度取り残されていると明らかにしている。曽我社長は、事態は一企業だけで解決できる段階を超えており、イランと日本に加えて他国政府も関与するなかで、船舶をどう出していくか協議していると説明している。

自動車船では、南アフリカの喜望峰を経由してサウジアラビアのジッダ港へ向かう航路や、オマーンのマスカット港を活用して陸送する代替手段を確保している。これにより、中東向け輸送は維持しており、原油の積み出し港の多様化にも対応している。

業績影響は限定的、エネルギー輸送に収益余地

原油調達では、西アフリカやブラジル、メキシコ湾などがホルムズ海峡の主要な代替ルートになっている。曽我社長は、中東向けより航海距離が大幅に長くなることで運賃収入が増え、エネルギー分野では追加的な利益を得る機会もあるとの認識を示している。

一方で、中東の混迷による業績への影響については、現時点で限定的だと強調している。日本郵船は2027年3月期に最終減益を計画しており、経常利益ベースでは中東情勢による減益影響を200億円弱見込むが、業績が上振れすれば配当予想を増額できる可能性は十分あるとしている。

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