原子力規制委員会は7月1日、浜岡原子力発電所の地震データ不正を巡り、中部電力が規制当局の調査開始後もデータ改ざんを続けていたと明らかにした。安全審査に使う地震動データの信頼性が揺らぎ、浜岡原発3、4号機の審査や同社の統治体制に影響が及ぶ可能性がある。
ハイライト
- 中部電力は浜岡原発3、4号機の安全審査用地震データ225ケースのうち69ケースで、検査開始後も改ざんを継続。
- 外部委託業者に1ケースあたり最大3万パターン計算させ、有利な代表波を意図的に選ぶ手法が判明。
- 原子力規制委は悪質性が高いと判断すれば、浜岡原発3、4号機の安全審査不合格も含む重い処分を検討。
規制当局が示した改ざんの経緯
日経の報道によると、原子力規制庁は外部からの情報提供を受け、2025年5月から浜岡原発3、4号機の安全審査に用いる地震データの妥当性について面談調査を始めている。その後も中部電力は225ケースのうち69ケースで書き換えを続けていたとされ、規制庁の追及を逃れようとしていた可能性がある。
原子力規制委員会の定例会合では、225ケースの地震動のうち63ケースで、どのようにデータが書き換えられていたかも示された。本来は1ケースごとに20パターンの地震波をランダムに作成し、その平均値に最も近い波を代表波として選ぶが、中部電力は外部委託業者に1ケース当たり1000パターンの計算を指示し、その中から候補を絞り込んでいた。
さらに、最終的に選んだ代表波が統計的に妥当な手法で選ばれたように見せるため、20パターンの組み合わせを恣意的に作成していたという。都合の良い地震波を選べない場合は計算をやり直し、最大で3万パターンから選定したケースもあった。
審査への影響と処分の焦点
中部電力は2026年1月に不正を公表しており、規制庁が検査を始めて以降の改ざんは確認されていない。一方で、社内でどのような指示系統のもと改ざんが行われたかはなお判明していない。会合では山岡耕春委員が「辻つまあわせで、頭を抱えるしかない」と述べ、神田玲子委員も「看過できない。上層部が関与した可能性もある」と指摘した。山中伸介委員長は、不正が始まった2012年以降の時系列や関与した人の範囲を明らかにする必要があるとの認識を示している。
規制委はこれまで名古屋市の中部電力本店で7回の検査を実施している。中部電力が委託した第三者委員会の報告書も踏まえ、不正に対する処分を検討する方針で、悪質性が高いと判断した場合は浜岡原発3、4号機の安全審査不合格も視野に入れている。
当サイトの以前の記事で取り上げたJALのNEDO事業における労務費の不適切処理では、実態と異なる従事日誌の作成が問題となり、受領済み資金の大半を返還し継続中の事業も辞退する方針が示されました。社員の疑問が見過ごされた経緯も含め、公的資金を活用する案件では記録の正確性と内部統制が前提である点が改めて焦点になっています。
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