ごま油大手のかどや製油は、事業拡大と中長期の成長戦略を進めるため、投資ファンドの支援を受けて株式非公開化に踏み切る。TOB価格は1株2514円で、成立後は株式併合を通じて上場廃止となる見通しだ。
ハイライト
- インテグラル傘下のITG-Gホールディングスが9月15日〜10月30日にかどや製油へTOBを実施、TOB価格は1株2514円で総額約580億円。
- 創業家系株主はTOBに応募せず非公開化後も株主として残り、三菱商事・三井物産は自社株買いで売却する方向で協議。
- 非公開化によりかどや製油は海外市場開拓やサプライチェーン再構築を強化し、短期的な市場変動の影響を抑え成長投資を推進。
TOBの条件と主要株主の対応
日本経済新聞によると、かどや製油は9月14日、インテグラルによるTOBに賛同すると発表している。買い付けはインテグラル傘下のITG-Gホールディングスが実施し、期間は9月15日から10月30日まで、買い付け予定数は2307万9969株、下限は1384万7100株としている。TOB価格は普通株式1株あたり2514円で、買い付け総額は約580億円となる見通しだ。9月14日のかどや製油株終値は2419円で、前日比35円高だった。
2026年3月末時点の株主構成では、三菱商事が26.88%で筆頭株主、三井物産が21.91%で続く。創業家系の小沢物産は11.53%、小沢商事は4.64%を保有しており、創業家側は今回のTOBに応募せず、非公開化後も株主として残る予定だ。
一方、三菱商事と三井物産が保有する株式については、TOBには応募せず、別途実施する自社株買いに応じる形で売却する方向で協議するとしている。
海外開拓と供給網再構築を後押し
かどや製油はごま油の製造、販売を手がけており、米国など海外市場の開拓、新商品開発、サプライチェーンの再構築を成長戦略の柱に据えている。株式市場の短期的な影響を受けにくい経営体制へ移ることで、投資判断の自由度を高める狙いがあるとみられる。食品業界では、原材料調達や物流の見直し、海外需要の取り込みに向けて中長期投資の重要性が増している。今回の非公開化は、老舗食品メーカーがファンドの支援を受けて事業基盤の強化と成長投資を進める事例として注目される。
- Forex
- Crypto