10月の酒税改正を前にした需要の前倒しで、ビール大手4社の9月のビール類販売は3カ月ぶりの増加に転じた。発泡酒が伸びた一方、第三のビールはサントリー「金麦」のビール化や流通の在庫調整が響き、前年同月を下回った。
ハイライト
- ビール大手4社の9月ビール類販売数量は前年同月比2%増、発泡酒の駆け込み需要が全体を押し上げた。
- 発泡酒は税率引き上げ前の駆け込み需要で12%増、第三のビールは小売りの発注抑制で5%減となった。
- 10月の酒税改正を控えた買い控えや公取委の強制調査で、10月以降の拡販に業界は慎重な見方。
酒税改正前の需要移動と9月販売の内訳
Nikkeiが伝えたところによると、ビール大手4社が13日に公表した9月の販売実績では、ビール類飲料の販売数量が前年同月比2%増となった。10月1日の酒税改正に伴う値上げを前に、発泡酒で8月から駆け込み需要が生じ、9月の全体販売を押し上げた。発泡酒は前年同月比12%増で2カ月連続のプラスとなった。税率が低かった発泡酒は350ミリリットル缶あたり7.26円引き上げられ、ビールと同じ54.25円となったため、各社が10月の出荷価格に増税分を反映する前の需要が集まった。
一方、第三のビールは5%減と2カ月ぶりに前年割れとなった。10月に増税対象となるため駆け込み需要が見込まれていたが、金麦が10月上旬にビールへ仕様変更する予定だったことから、小売りは新仕様を優先して確保し、第三のビールの仕入れを抑えた。
国税庁が10月1日午前0時時点で流通する課税済み酒類に対し、新旧税率の差額を調整する手持ち品課税を義務付けたことも、過剰発注の抑制につながった。ビールは2%増だったが、ビール化した金麦の一部が含まれており、その要因を除くと4%減だった。
天候要因と各社販売、10月需要への影響
用途別では、缶ビールなど家庭向けが3%増だったのに対し、瓶や樽など飲食店向けは4%減となった。東京都心で8月末から37日連続で雨が観測されるなど天候不順が続き、外食での酒類消費を押し下げた。主要ブランドでは、アサヒビールの「スーパードライ」が前年同月並み、キリンビールの「一番搾り」が5%減、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」が6%減、サッポロビールの「黒ラベル」が3%減だった。企業別では、サントリーが2%減、サッポロが1%減となり、金額ベースのみを公表するアサヒとキリンは、発泡酒や第三の主要ブランドの伸長でそれぞれ1%増、3%増だった。
10月の酒税改正ではビールが減税対象となっており、9月には値下げ前の買い控えも出ていた。各社はビール拡販へ広告宣伝を強化しているが、公正取引委員会が4社に対し出荷価格を巡る独占禁止法違反の疑いで強制調査に乗り出しており、業界では販売機運の鈍化を懸念する見方が出ている。
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