国税庁の令和3年度査察では、悪質な脱税への刑事責任追及を通じて適正、公平な課税の確保を進めています。新型コロナウイルスの影響で告発件数と脱税総額は減少した一方、告発率は前年度に続いて72.8%の高水準となりました。
ハイライト
- 令和3年度、国税庁は75件の査察告発で脱税総額61億円、1件当たり平均脱税額8,100万円を摘発。
- 消費税不正還付や無申告事案、国際脱税スキームが重点摘発対象となり、愛玩動物イベント法人の買戻還付制度悪用も告発。
- 一審判決117件全てで有罪、消費税輸出免税制度悪用の法人代表者には実刑判決が言い渡され抑止効果が示された。
令和3年度査察の実績と重点分野
国税庁の業務報告によると、令和3年度に検察庁へ告発した件数は75件、告発分の脱税総額は61億円となりました。1件当たりの脱税額は総額分で9,900万円、告発分で8,100万円でした。
査察制度は、広域化、国際化、ICT化で複雑、巧妙化する脱税手口に対応し、悪質な脱税者を厳正に調査する役割を担っています。令和3年度は消費税事案、無申告事案、国際事案に加え、社会的波及効果の高い案件の告発を積極的に進めました。
消費税事案では、愛玩用動物のイベントを企画、開催する法人による仕入税額控除制度の悪用を巡る不正受還付事案を告発しました。無申告事案では、太陽光発電設備に関わる請負工事や、インターネットショッピングサイトを利用した輸入雑貨の通販などが対象となりました。
執行強化の効果と税務行政への影響
国際的な不正スキームでは、海外法人を利用した事案も摘発対象となっています。国税庁は、こうした新たな脱税手法への対応が、申告納税制度の維持と税負担の公平性確保につながると位置付けています。また、下請け業者に対しても厳正に処理し、一審判決117件の全てで有罪判決が言い渡されました。消費税の輸出免税制度を悪用した法人の代表者には実刑判決も出ており、刑事告発を通じた抑止効果の維持が引き続き重視されています。
当社の以前の記事では、フクダ電子が会長による長期の経費不正利用を認定し、再発防止策として取締役会の構成見直しや監査・経費管理体制の強化を進める方針を整理しました。6月の定時株主総会で社外取締役比率を高め、定期的な監査の徹底や資産整理も含めて統治体制を立て直す動きが焦点でした。
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