日本経済新聞社・朝日新聞社、Perplexityとの著作権訴訟が初弁論へ

日本経済新聞社・朝日新聞社、Perplexityとの著作権訴訟が初弁論へ
著作権訴訟が初弁論

生成AI検索サービスによる報道コンテンツ利用を巡る法的対立が、日本の新聞業界で司法判断の段階に入っている。東京地裁では5月14日、日本経済新聞社と朝日新聞社が米新興Perplexityに損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が開かれ、被告側は争う姿勢を示している。

ハイライト

  • 日本経済新聞社と朝日新聞社は、Perplexityによる無断記事利用とペイウォール突破を著作権侵害・不正競争防止法違反とし、計22億円の損害賠償を請求。
  • Perplexity側は、日本の裁判所に国際裁判管轄がないことなどを主張し、訴えの却下を求め詳細な反論を今後提出予定。
  • 読売新聞など国内他社や、Dow Jones・The New York Times等海外有力紙も2024年以降AI企業相手に同様の法的措置へ動いており、業界全体への事業影響が拡大。

東京地裁で示された争点と請求内容

日本経済新聞の報道によると、原告の日本経済新聞社と朝日新聞社は、Perplexityが配信記事を無断で複製、利用し、著作権を侵害したと主張している。両社は、AI検索サービスが記事の要約を生成、提供する行為は、著作物の複製や翻案、公衆送信を禁じる著作権法に違反すると訴えている。

あわせて両社は、AI学習などを目的とした無断でのデータ蓄積や複製を禁じる利用規約にも反すると指摘している。要約内容に誤りがある場合でも引用元として「日経」や「朝日」と表示され、社会的信用を傷つけたとして、不正競争防止法違反にも言及している。

訴状によると、Perplexityは少なくとも2024年6月ごろから、コンテンツ利用を拒否する技術的措置を無視して日経と朝日のサーバーにアクセスし、記事を収集したとされる。日経は有料会員向けのペイウオール内記事が含まれたとしており、朝日はヤフーニュースに提供した記事も無許諾で使われたと主張している。

両社は記事利用の差し止め、要約文の削除に加え、利用料相当額の一部として10億円、さらに誤った生成物の提供による営業上の利益侵害を理由に、それぞれ計22億円を求めている。一方、Perplexity側は、請求の趣旨や原因が特定されておらず、日本の裁判所に国際裁判管轄もないとして、訴えの却下を求め、詳細な主張は追って提出するとしている。

国内外で広がるAI検索と報道利用の摩擦

この訴訟は、生成AI企業によるニュースコンテンツ利用を巡る日本国内の対立が一段と表面化した事例となっている。日本経済新聞社と朝日新聞社は2025年8月に共同提訴しており、その後も日本の報道各社による対応が広がっている。

Perplexityを巡っては、読売新聞の東京、大阪、西部の3本社も2025年8月、記事の無断利用が著作権侵害に当たるとして、約21億円の損害賠償などを求める訴訟を起こしている。共同通信社、産経新聞社、毎日新聞社の3社も同年12月、記事の即時利用停止を求める抗議書を送っている。

海外でも同様の動きが続いている。Dow Jonesなどは2024年10月に著作権侵害を理由に提訴し、The New York Timesも2025年12月に提訴を発表して、AIが情報を捏造しブランドを傷つけていると主張している。生成AIの普及が進むなか、報道機関の収益保護、ブランド毀損、学習データ利用の適法性を巡る訴訟は、メディア業界とAI業界の事業運営に影響を与える論点として広がっている。

当社の以前の記事では、ソフトバンクグループがOpenAIを含むAI関連企業への大型投資を進める中で、2026年3月期決算が投資戦略の持続性と財務面の耐久力を測る材料になる点を整理しました。あわせて、フランスでのAI向けデータセンター投資協議など、AIインフラ分野への関与拡大も視野に入り、資金調達力と負債水準への見方が市場評価を左右し得ることを指摘しています。

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