富士通、AI・量子分野に3兆円投資し新規売上創出へ
富士通は2035年度を最終年度とする中期経営計画で、人工知能や量子技術などの成長領域に約3兆円を投じる方針を示した。新たに3兆円規模の売上高創出を掲げ、今後10年で収益成長と採算改善を同時に進める構えだ。
ハイライト
- 富士通は2035年度に向け、AI・半導体・量子技術分野に約3兆円を投資し、新規に3兆円規模の売上高創出を目指す。
- 売上収益の年平均成長率を6〜9%とし、調整後営業利益率も25〜30%へ引き上げる目標を掲げる。
- AI活用で全社生産性を25年度比2倍超へ向上、防衛・宇宙分野は日・英・豪3カ国軸で拡大しデュアルユース需要も開拓。
2035年度に向けた投資計画と収益目標
日本経済新聞によると、富士通は28日、AIや半導体、量子技術を中核とする成長投資を柱に据えた中期経営計画を発表した。投資額は約3兆円で、これらの分野を通じて新たに3兆円規模の売上高を創出する方針としている。
25年度の連結売上収益は3兆5029億円、調整後営業利益は3905億円だった。今後10年では売上収益の年平均成長率を6〜9%とし、25年度に11.2%だった調整後営業利益率を25〜30%へ引き上げる目標を掲げている。
成長戦略では、自国でAIを開発、運用する「ソブリンAI」のインフラ整備を重視する。次世代CPUや量子コンピューターの実用化も目指し、AIが自律的にシステム開発を進める環境整備も進める。
生産性向上と防衛・宇宙分野の拡大
富士通は全プロジェクトの9割以上でAIを活用し、生産性を25年度比で2倍以上に高める計画だ。従来の受託開発型の色合いを薄め、技術と基盤を提供する企業への転換を鮮明にしている。防衛・宇宙分野では、日本、UK、豪州の3カ国を軸に事業拡大を進める。U.S.のロッキード・マーティンとの提携などを通じて、軍民両用のデュアルユース需要の開拓も狙う。
28日に川崎市の本社で記者会見した時田隆仁社長は、富士通はテクノロジーと基盤を提供する会社にシフトすると述べた。今回の計画は、AI関連需要の取り込みに加え、防衛や先端計算基盤まで成長領域を広げることで、事業構造の転換を加速させる内容となっている。
当社の以前の記事では、AIブームを追い風に半導体関連株の物色がGPU中心から、メモリーや電線を含むAIインフラ/サプライチェーン全体へ広がっている点を整理しました。NVIDIAは好決算や株主還元拡大を示した一方、AI向けデータセンター投資の増加が供給逼迫と価格上昇を通じてインフレ圧力や金利上昇リスクを高め、成長株評価の重荷にもなり得ることが焦点でした。
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